欺・リーマンの牢獄。

リーマンの牢獄・斎藤栄功

リーマンの牢獄


地面師たち」もびっくりの実話!

史上最大371億円を賭けたババ抜きが始まった。

今から17年前の2008年6月に発覚した「アスクレピオス事件」を覚えているだろうか。

上場企業LTTバイオファーマの子会社であったアスクレピオスの社長・斎藤栄功氏が、当時、丸紅ライフケアビジネス部の担当課長でありながらLTTバイオファーマ社長も兼務していた山中譲氏と結託。病院再生事業への投資を名目に、偽造した丸紅の保証承諾書を利用し、いわゆるポンジスキームの手口でリーマン・ブラザーズから371億円もの巨額資金を詐取した史上最大の金融詐欺事件である。

ポンジスキームとは投資詐欺の一種で、新たな投資家から集めた資金を既存投資家への配当や利息に充てる仕組みだ。例えば「1億円を出資してくれれば、3ヵ月後に0.2億円の高配当をつけて1.2億円にして返金する」と持ちかける。しかし、その0.2億円を工面するため、別の投資家には「2億円を出資すれば、0.4億円の配当をつけて2.4億円にして返金する」と誘う。このように、新規出資金を既存投資家への高配当に回す仕組みが典型的なポンジスキームであり、いつかは必ず行き詰まり、破綻するババ抜きゲームである。

そして、最後にババを引いてしまったのが371億円という巨額投資をした今は亡きリーマン・ブラザーズ。

返済期日が到来しても返金がなかったため、保証を承諾していた丸紅に照会したところ「そのような保証は存在しない」とのつれない回答。観念した丸紅の山中氏は上司に罪を告白し、ついに事件が露見する。

そして、この一連の顛末を、主犯として懲役15年を言い渡された斎藤栄功氏自身が、長い刑期を終えて本書の中で語ることとなったのである。

斎藤氏は、いつか必ず破綻するはずのポンジスキームに、どういう神経でのめり込んでしまったのか!?

ね!面白くないわけがないでしょ?

因みにリーマンのババを最後に引きかけたのがゴールドマン・サックス。

実はリーマンがババを引く直前にゴールドマンは100億円を投資していて、リーマンがババを引いてくれたおかげで、元金100億円と約10億円の配当を得たのだが、それに味をしめて、400億円もの大金をさらに投資しようとしていたのだ。幸いゴールドマンは投資直前、丸紅の副社長との面談を要求したことで、斎藤氏と山中氏が投資契約を諦め、事なきを得たのだが、一つ間違ってればゴールドマンが最後のババを引くところだったという。

なお、斎藤氏は騙し取った分の分け前など約17億円を保有していたが、逮捕直前にクロサギこと黒崎勉(仮名)に全額を現金で預け、そのまま騙し取られたままになっている(苦笑)

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□

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