裃 。

大河ドラマ「新選組!」より


室町時代中期に端を発し
江戸元禄に定着したと言われる
日本古来の礼服「裃」。

共生地を使った肩衣と袴が
セットになったスタイルで
武士階級だけでなく
そこそこ身分ある百姓や町人も
冠婚葬祭などで着用する機会が
あったと言いますから
今でいうスーツやタキシード
といった部類でしょうか。

丁髷にしろこの裃にしろ
封建時代の日本人は相当に
オリジナリティ満載でしたネ。

コチラは1867年11月8日
二条城の二の丸御殿黒書院。

江戸幕府最後となる
第15代将軍・徳川慶喜
上洛中40藩の重臣を集め
大政奉還を諮問している画デス。

色とりどりの裃が見られますが
中にひそひそ話してる人が
紛れてますね(笑)

PS.

さて、肩が大きく張り出した
肩衣のデザインですが
どっからどう見ても
機能的とは思えません。

一体どうしてこんな不思議な
形状をしてるんだろう?と
ずっと考え込んでいたんですが
ひょっとすると
こんな理由からかもしれません。

裃が殿中における礼装という
スタイルということであれば
もともと殿様の暗殺を封じる為に
肩衣を進化させたのではないか。

つまり、上段から
刀を振る動作をさせにくくする為
機能的に肩を張り出させた
デザインに修正されていったと。

そう考えれば
一見滑稽な形をした肩衣も
時代性のある機能美をもった
礼服として報われるのではないか
そんなことを思った次第デス。

□□□ 東雲乃囁 □□□□□□□□

2018年3月9日(金)18:00~

美術好き高校同級生6人と
国立西洋美術館で開催中の
プラド美術館展」を鑑賞。

17世紀にスペインで活躍した
宮廷画家・ベラスケスが描いた
「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」を
始めとする貴重な7作品を
拝み見ることができましたヨ。

東京展は5/27まで。
兵庫展は6/13-10/14まで。