やっとこさ読了デス。
エスプリ思考:
エルメス本社副社長、齋藤峰明が語る
[単行本] 川島 蓉子 (著)
当ブログにおいてイチオシのブランドと言えば
もちろん HERMES(エルメス)。
過去、79万円のレザーシャツや
151万円の野球グローブ、
860万円のクロコのTシャツ、
127万円のバスケットボールなどなど
話題の超高額アイテムを続々と発表。
まさにキング・オブ・ラグジュアリーな
ブランドであることは既にご承知の通り。
これが日本の生きる道におきましても
使い捨て社会が蔓延する中、
300年という長い商品寿命を目指してモノ作りをしている、
また、目先の売上に囚われるような商品開発するのではなく、
普遍的なデザインでロングセラーになるような
定番商品だけを開発し販売をする、
そんなエルメスの理念に日本のメーカーは習うべし!と、
激しく持論を展開させて頂いた次第デス。
その天下のブランド エルメスの本社に
実はたったひとり日本人の役員がいるのです。
しかもマーケティング、新規事業などの
エルメスの主要な部門を統括する副社長として。
そのお方が本書の主役となる
齋藤峰明氏 デス。
【 source 】プレミアムジャパン
実はこの齋藤峰明氏(1952年、静岡県生まれ)、
高校を卒業すると、単身フランス・パリに渡り、
パリ第一(ソルボンヌ)大学芸術学部へ入学。
在学中に三越トラベルでアルバイトながら
数々の実績を残しキャリアを積みます。
そして、大学卒業後、
ワタクシも以前勤務していた某繊維商社の
パリ支店で営業として勤務していた経験があり、
現F.E.N.ltdの西村社長などは同パリ支店で
机を一緒に並べて仕事をした仲だっととか。
その後、27歳の時にパリ三越へ主任として転職、
32歳の若さでなんと所長へと昇格、
そして、40歳の頃、当時のエルメスの
5代目社長だったデュマ・エルメス氏に
エルメスジャポンの営業本部長として引き抜かれ、
エルメスジャポンの社長を経験後、
現在本社副社長の地位にあるわけなんです。
さて、ところでエルメスってどれほどの会社なの?
ってことで、簡単に実績をご紹介します。
2012年のエルメスの売上高は
34億8000万ユーロ(約4500億円)、
純利益は7億4000万ユーロ(約960億円)、
社員数は10,118人(2012年末)。
売上は大したことがありませんが、
純利益律は脅威の 21%。
株式時価総額は264億4500万ユーロ(約3兆4900億円)。
三菱商事や三井物産よりも時価総額が高いほどなんです。
ルイ・ヴィトン擁するLVMHが
エルメス株を買い占めていた影響もありますが、
それでも莫大な時価総額と言えるところでしょう。
最後に本書で刺さったエピソードは・・・
エルメスのライバルとして何処を想定しているか?との
雑誌の取材の質問に齋藤氏は「虎屋」と回答したそう。
その理由は虎屋もエルメス同様モノ作りに基軸を置き、
職人の技術と感性を磨き続けてきたことや
創業は室町時代まで遡り、480年もの歴史があること、
さらに家業としての哲学を連綿と継承し、
現社長の黒川光博氏は第17代目であることなど
エルメスを遥に凌ぐ歴史を持っていることから。
これは虎屋がライバルというよりも
むしろ目指すべき目標として回答したのでしょうね。
その他のエピソードとしては・・・
「丁寧に作ったものを慈しんで使う。」
齋藤氏曰く、エルメス製品を修理しながら
丁寧に使い続ける点において
実は日本が世界で突出しているんだとか。
つまり上述のモノを大切にする文化を
日本は昔から持ち合わせているわけなんです。
そろそろ使い捨ての時代にさようならです。