MEN’S Precious 2014春号にて孤高の戦場カメラマン ロバート・キャパのダンディズムを学ぶの巻。

メンズプレシャス  表紙 MEN'S Precious 2014S 表紙

MEN’S Precious 表紙も知的デス。


さて、2014春のMEN’S Preciousに
戦場カメラマンと言えばの
渡部陽一じゃなくて、
孤高の戦場カメラマンこと
Robert Capa(ロバート・キャパ)が
紹介されておりまする。

でも、ロバート・キャパなんて
一般的には知られてませんよね。
なので、ちょこっと説明させて頂くと。

robert_capa ロバート・キャパ

このお方がロバート・キャパ。

1913年10月22日にハンガリーの
ブタベストで生まれ、
第一次インドシナ戦争取材中の
北ベトナムで運悪く地雷に接触し、
わずか40歳でこの世を去るんですが、

そのロバート・キャパの
波乱万丈の人生が
孤高の”ダンディズム”列伝にて
語られておるわけなんです。

で、そのロバート・キャパの
ダンディズム列伝を読む前に
キャパに関するこの逸話を
事前に知っておく必要がございます。

まず「ロバート・キャパ」という名前、
実は本名は別にあり、正しくは
フリードマン・エンドレ・エルネー。

「ロバート・キャパ」という名前は
当時のキャパことフリードマンの
恋人であったゲルダ・タローが考えた
架空の人物の名前に由来しているのです。

Gerda Taro ゲルダ・タロー

※キャパ撮影したゲルダ・タローの写真

当時のフリードマンはカメラマンとして
まったく売れず、食べて行くことさえも
ままならなかったそうです。

そこで、恋人だったゲルダ・タローが
フリードマンを既に偉大な業績がある
米国人カメラマン「ロバート・キャパ」
として、悪い言い方をすれば、ある意味
捏造してマスコミに売り込んだことで、
カメラマンとしての仕事を軌道に
乗せていくわけなんです。

何処となく俳優 唐沢寿明の元彼女が
俳優として売れない唐沢寿明の為に
ちょい役で出演したドラマのテレビ局に
何十通ものファンレターを
他人になりすまして送り続けたという
泣かせる逸話に似通っています。

ロバート・キャパ 崩れ落ちる兵士 Robert_Capa,_La_muerte_de_un_miliciano

そして、この写真がロバート・キャパを
一躍有名にさせたという曰くつきの写真

「崩れ落ちる兵士」

1936年7月に起きたスペイン内戦中に
反乱軍と戦っていた共和国側の兵士
フェデリコ・ボレル・ガルシアが
反乱軍の銃弾に倒れた瞬間を
キャパが撮影した1枚の写真とされ、

1936年仏の「ヴュ」誌の表紙を飾り、
翌年アメリカの写真週刊誌「LIFE」に
同写真が掲載されたことで、
その撮影者とされた戦場カメラマン
「ロバート・キャパ」の名前が
一躍世界中に知れ渡ります。

がしかし、今から5年前の2009年、
スペインのパイス・バスコ大学の
ホセ・マニュエル・ススペレギ教授が
キャパの遺品の中から見つかっていた
同じ場所で撮影されたという他の写真
43枚と照合して調査したところ、

実は上の写真は実戦の戦闘中ではなく、
演習での訓練中に撮影されたもので、
撃たれて後ろに倒れる一瞬ではなく、
兵士がたまたま草か石かで足を滑らせ
後ろに転んだ瞬間を偶然撮影したに
すぎないと明言。

さらに兵士の頭が撃たれているように
見えるのは、他の写真から推察するに
ナイトキャップのような帽子を
兵士が被っていたからであると。

そして、写真の兵士本人も特定され、
この兵士は命を落としていないことが
今更になって判明した次第(滝汗)

さらに追い打ちをかけるように
2013年2月3日放送のNHK総合の番組
「NHKスペシャル 沢木耕太郎
推理ドキュメント 運命の一枚〜
“戦場”写真 最大の謎に挑む〜」では

この写真が撮影されたカメラは
ロバート・キャパのカメラではなく、
ゲルダ・タローの愛機であった
ローライフレックスのカメラで
撮影された写真と推測されたのです。

つまり「崩れ落ちる兵士」の撮影者は
ロバート・キャパ本人ではなく、
恋人のゲルダ・タローだと。

因みにそのゲルダ・タローは
同写真が「ライフ」に掲載された直後の
1937年7月25日、スペイン内乱の
ブルネテの戦いの取材中
戦車に轢かれ死亡したことで、

結局「崩れ落ちる兵士」の写真は
ロバート・キャパが撮影したものとして
独り歩きすることになってしまうのです。

そして、「崩れ落ちる兵士」における
2重の負い目が戦場カメラマンとしての
ロバート・キャパの使命を駆り立て、
さらに危険な戦場を駆け巡ることになり、

1947年にデヴィッド・シーモア、
アンリ・カルティエ=ブレッソン、
ジョージ・ロジャーらと
国際写真家集団「マグナム」を結成し、

自分の命を戦場で落とすことに
自ら運命づけてしまったのではないかと
思われて仕方ありません。

メンズプレシャス  Robert Capa ロバート・キャパ  MEN'S Precious 2014S (7)

そんな数奇な運命を辿ることになった
戦場カメラマン ロバート・キャパの
ダンディズムがメンズプレシャスに
詳しく掲載されております。
以下、そのほんの一節だけご紹介します。

「大事なのは明日よりもその日。
うまい酒、食事そして
女にありつけるものなら
商売道具の最新ライカだって質に入れる。

エピキュリアン(快楽主義者)であり、
徹底的に生き強かった。

取材前後に町の一番いいホテルで
美女を傍らに置き、
そのバーの最上のシャンパンを
飲んでいる男がいれば、
それがキャパなのだ。」

101年目のロバート・キャパ

ただ今、そんな死と隣り合わせの
人生を生きなければならなかった
キャパの写真展が開催されています。

『101年目のロバート・キャパ』

会期:2014年3月22日(土)-5月11日(日)
会場:東京都写真美術館 地下1階展示室
東京都目黒区1-13-3(恵比寿ガーデンプレイス内)
開館時間:10時ー18時(木・金は20時まで)
※入館は閉館の30分前まで

詳細はコチラをどうぞ。

もちろんボクもお邪魔する所存であります。