休刊・廃刊となったファッション誌たち。
さて、スマホ普及の煽りを受けまして、新聞・雑誌等の紙媒体の販売部数の減少に歯止めが掛からないことは、冒頭画像にあります休廃刊した女性ファッション誌を見ても明らかなところであると思われます。そこで、先日、新聞社、雑誌社、専門紙誌社などが加盟する日本ABC協会から発表された2013年度下半期の新聞・雑誌の実販売部数ランキングからファッション誌部門のランキングだけを切り出してさらっと簡単にファッション誌の現状をレポートしてみたいと思います。果たしてファッション誌の行く末に未来はあるのでしょうか?
1位:『InRed(インレッド)』(宝島社)260,085部
今回の発表で初の1位に輝いたのは宝島社の箕浦ちさ子編集長率いる30代向け付録系女性ファッション誌『InRed』。ついに無敵だった付録の女王『sweet』の牙城を崩すことに成功したんです。もちろん快挙と言える出来事でしょう。
がしかし、だからと言って全然喜んでいられません。『sweet』を抜いたとは言え、2010年には月間約70万部近く販売したこともあったはずなので、当時の販売部数と比べても激減の最中にあることは周知の事実。決して喜んでいる場合じゃありません。ある意味『sweet』を抜いたことにより宝島社十八番のオマケ付録効果もついに終焉間近か!?と勘繰りたくなる予兆とも言えるではないでしょうか。
2位:『sweet(スウィート)』( 宝島社)242,567部
2009年上半期から2013年上半期まで9期連続でファッション雑誌1位をキープしていましたが、ついに陥落!最強付録ファッション誌『スイート』もここまでか!?まさに奢れる者は久しからず?
ブランドとコラボレーションした豪華な付録で20代後半以上の女性に絶大なる支持を受け、2010年には月間100万部を超えるなど豪華付録のクロスマーチャンダイジングを考案したカリスマ渡辺 佳代子編集長の下、無敵の販売数を誇っておりましたが、宝島社の姉妹誌を含め付録雑誌が横行した影響もあってか、販売部数の減少に歯止めをかけることが出来ずついに1位の指定席から転落。渡辺佳代子カリスマ編集長の今後の巻き返しに注目したいところデス。
特に女性ファッション誌はもはや付録よりもスマホ連動型の斬新な企画が必要になりそうな予感かと。
3位:『MORE(モア)』(集英社) 231,328部
第3位は身長わずか150cmの八巻富美子編集長率いる20代ターゲットの女性ファッション誌『モア』です。1977年創刊ですから今や古参中の古参ファッション誌のひとつデスね。但し、2011年には『sweet』に追随した付録効果もあってか月間50万部以上を販売していたようですので、3位とは言えやはり販売部数は半減してしてる模様デス。
因みに日本雑誌協会発表による『MORE(モア)』の印刷証明付き発行部数(2013年10-12月)は月間平均393,334部となっており、実売部数231,328部との差約16万部となっております。一体なんでこんなに違うんでしょうか???汗
4位:『VERY (ヴェリィ) 』(光文社) 230,324部
ようやく付録系ではないファッション誌『VERY (ヴェリィ) 』のランクインです。光文社同社刊「JJ」、「CLASSY.」に親しんだ30代後半~40歳前後の既婚女性、しかも1998年に「シロガネーゼ」の流行語を生みだした通りセレブな専業主婦系をターゲットにしてまして、上位の付録系ファッション誌と内容も一線を画し、販売部数の安定感がございます。
ま、ボクとしてはカバーモデルの井川遥様が見られればそれだけで『VERY (ヴェリィ) 』良し!という気持ちではありますが(滝汗)
5位:『non・no(ノンノ)』(集英社)227,379部
もともと「an・an(アンアン)」(マガジンハウス)のライバル誌として発刊された経緯はあるものの、もはやライバル「an・an(アンアン)」は女性ファッション誌のカテゴリーとは思えぬほど誌面のテーマを変えたことが影響?してか20位にもランクインしてません。そんなわけで付録に頼らない古参ファッション誌代表として『non・no(ノンノ)』にはひと踏ん張りしてほしいところデス。
6位:『Seventeen(セブンティーン)』(集英社)201,371部
略称「ST」。もちろん古参中の古参ファッション誌ですが、内容はボクもよく知りません。付録はやはり付けてる号が多い模様デス。
7位:『リンネル』(宝島社)199,795部
2010年に創刊したばかりですが、既にナチュラル系ファッション誌の大御所。一気に上位に食い込んできましたが、やはり付録効果が大きいか?
8位:『with(ウィズ)』(講談社)185,118部
3位の『MORE(モア)』のライバル誌ですね。どちらも付録雑誌化してしまいましたが、少々差が開いてしまった模様デス。
9位:『GLOW(グロウ)』(宝島社)180,234部
またまた付録の宝島社から。これでベスト10中4誌が宝島社のファッション誌。やっぱり付録がないと駄目なの?
10位 『LEE(リー)』(集英社)178,714部
1982年創刊の古参ファッション誌ではありますが、『LEE(リー)』もやはり付録系ファッション誌としての道を歩むことに。
以上、ベスト10内では『VERY (ヴェリィ) 』と『non・no(ノンノ)』を除く8誌が付録系ファッション誌ということになります。
以下、11位から20位までまとめて発表デス。
11位 『ViVi(ヴィヴィ)』(講談社)178,671部
12位 『STORY(ストーリー)』(光文社)169,448部
13位 『nicola(ニコラ)』(新潮社)151,638部
14位 『steady.(ステディ)』(宝島社)144,758部
15位 『mini(ミニ)』(宝島社)142,051部
16位 『CLASSY.(クラッシー)』(光文社)141,528部
17位 『smart(スマート)』 (宝島社)137,760部
18位 『BAILA(バイラ)』(集英社)130,233部
19位 『クロワッサン』(マガジンハウス)120,364部
20位 『ポップティーン』(角川春樹事務所)113,079部
唯一の男性ファッション誌としてのランクインは『smart(スマート)』!やはり付録系ではありますが(汗)
以上、ベスト11-20位までは『STORY(ストーリー)』、『CLASSY.(クラッシー)』、『クロワッサン』、『ポップティーン』を除く6誌が付録系ファッション誌のようです。さて、次回のランキング発表では付録系ファッション誌の占有率がどう変化することやら。お楽しみにデス。付録やオマケじゃないとことん読ませるメンズ誌で言いますとポパイのようなファッション誌の登場を期待しております。