LEON3月号の富士山とドクトリン。

レオン 2016年3月号 LEON201603

人生一度は富士山に登るべし。


僕が初めて富士山に登ったのは
今から16年前の7月のこと。

須走ルートからの登頂でして、
9合目まではルンルン気分。
森のくまさんが口づさめるほど
ピクニック気分の登山でありました。

がしかし、

8合目に向かう山道にて
早くも雲行きは怪しくなってきて、
7合目に向かうときには青色吐息。

何しろキャタピラー
くそ重たいワークブーツを
マウンテンブーツと間違える
失態を犯してしまいましたから。

延々と続く砂山を登る苦しさに
この時くらい酸素が欲しいと
念じたことはありませんでした。

なんとか8時間掛けて
命辛々山頂に辿り着くも
ボクの人生の中で肉体的に
最も辛く苦しかった経験が
その富士山登山であったことは
異論のないところであります。

そんなわけで、
その後も何度か友人たちに
富士登山を誘われているものの
頑なに断り続けている次第デス。

因みに母方の爺ちゃんが
20年ほど前、富士山高齢者番付で
横綱になったことがあるそうな。
当時は90歳近くだったと思います。

PS.

1月16日に放送されました
NHKスペシャル 激動の世界、
第3回放送「揺れる“超大国”
~アメリカはどこへ~」の回にて
“ドクトリン”という
聞きなれない言葉出てきます。

米政治学者イアン・ブレマー氏への
インタビューにあった言葉ですが、

2013年9月10日、オバマ大統領が
米国民に向けてのTV演説にて
「米国は世界の警察官ではない」
という衝撃的な発言を行ったことで、

一気にアメリカを中心に
回っていたはずの世界秩序は崩壊し、
ロシアと中国は示し合わせたように
クリミア併合、海洋進出を行い、
更にはイラク・シリアの混乱を招き、
世界が不安定になってしまったと。

故に次期アメリカ大統領には、
もはやマニュフェストではなく、
政治、外交、軍事における基本原則
つまりは”ドクトリン”という大義が
今最も求められるべきであると。

この”ドクトリン”という大義、
近年ではブッシュ・ドクトリンが
有名なもののひとつ。

米同時多発テロ事件を受けて、
ジョージ・W・ブッシュ大統領が
テロリストおよび大量破壊兵器を
拡散させかねない
「ならず者国家」に対し、
必要に応じて自衛権を根拠とした
先制攻撃を行い得るというもので、
その言葉通り容赦はありませんでした。

また日本においてのドクトリンは
吉田ドクトリンが知られています。

時の吉田茂首相は、
経済復興を第一優先として
国防をアメリカに担わせるというもの。

その言葉通り吉田首相は
アメリカからの執拗な
日本の軍備強化要請に対して、
憲法第9条を盾に徹底抗戦しました。

さて、そんなわけで、
来年1月上旬に選ばれる予定の
次期米国大統領は既に課題満載。

どんなドクトリンを提言するのか、
今後の世界平和の行方を占う意味でも
注目されるべき選挙かと思われます。