真田丸・石田三成の歴史的イメチェンなるか。

真田丸 第20話 前兆 石田三成 

第20話 「前兆」より


「聚楽第落首事件」での
秀吉の傍若無人な沙汰に対して
石田三成は切腹覚悟で
天下人・秀吉にこう詰め寄った。

ご立腹はごもっともなれど
これではあまりにも度が過ぎまする!

佐吉は正気でございます。
乱心されているのは殿下の方!!!

大河ドラマ史上最も面白いかも?
との呼び声高い「真田丸」。

脚本を担当した三谷幸喜は、
百戦錬磨な個性派俳優を布陣し、
勝者の子孫が作った勝手な
通説に惑わされることなく
戦国武将たちの人となりを
角度を変えて考察することで、
新しい人物像を創造している模様。

寺島進が演じる出浦昌相
栗原英雄演じる真田信尹など
目力の強いキャラも誕生している。

そして、、、

舞台を大阪に移してからは
特に山本耕史演じる
今の時代で言う官房長官役
石田治部少輔三成の存在感が
際立っているのではないかと思う。

登場始めの頃こそ
過去の大河ドラマ同様に
冷徹で頭だけは抜群に切れる、
という視聴者からすれば
いけすかない役どころであったが、
冒頭のセリフにもあるように

その実は・・・
熱きハートを心に秘めた
熱血漢として描かれており、
山本は見事に演じ切っている。

「天地人(2009年)」で
三成を好演した小栗旬によって
一瞬イメチェンしたかに見えたが、

再び「軍師官兵衛」で
秀吉と心中するかのように
奈落の底に堕ちてしまった
石田三成の悪役キャラ、

今度こそ「真田丸」での
新しい石田三成像によって
覆されるのではないだろうか。

一気に三成の歴史的評価が
高まることを期待して、
クライマックス近くに
放送されることになるだろう
「関ヶ原の戦い」でも
山本三成を応援せずにはいられない。

因みに「太閤記」において
三成を採用した理由を
秀吉はこんなふうに述べている。

三成は諫に付ては、
我が気色取らず。
諸事有る姿を好みし者なり。

三成は私に対してすら
諫言すること憚ることなく、
しかも規律を重視するところが
とても気に入ったからだ。

歴史の通説とは
単なる勝者の妄想に過ぎない。
正義がいつも勝者にあるとは限らない。

文・東雲乃風