2016年12月6日(火)
鼻がツーンとする冬の寒空のもと
やっとお邪魔してきました
11月22日にオープンしたばかり
出来立てほやほやの・・・・・
説明不要かとは思いますが、
江戸時代後期の天才浮世絵師
葛飾北斎の専門美術館デス。
で、葛飾北斎って
どんな絵を描いてた人なの?
ってことを一応ご説明しますと、
一番有名な絵がもちろん
『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』。
北斎70歳の頃の木版画作品デス。
それからコチラも。
『冨嶽三十六景 凱風快晴』
通称「赤富士」も有名ですよね。
70代前半の頃の木版画作品デス。
風景画の浮世絵を
最初に描いた絵師が北斎でして、
「東海道五十三次」を描いた
安藤広重こと歌川広重にも
多大な影響を与えていることは
以前コチラでご紹介した通りデス。
さ、話を建物の件に戻しまして、
ご覧の通り妹島和世氏が設計した
めちゃくちゃ近代的な美術館。
きっと葛飾北斎本人も
草葉の陰で驚いていることかと。
イメージ違うんとちゃう?って(笑)
何しろ晩年の葛飾北斎が
絵を描いている図ってのは
こんなイメージだったとか(汗)
一緒に住んでいた娘の阿栄(おえい)、
そして絵を描く北斎の制作風景。
因みにこの三女の阿栄は
いつも北斎より「おーい」と
呼ばれていたことから、
葛飾応為という画号で10点ほど
絵を描いていたこともあるそうデス。
この蝋人形は4階の常設展で
ご覧いただくことができるんですが、
門人であった露木為一が描いた絵
「北斎仮宅之図」を元に作ったそう。
当時はこんなに質素だったのですね。
で、またまた話を戻しまして、
建物1階部分はこんな感じデス。
妹島デザインらしい複雑系。
1階には土産物売場や図書館、、、
30人くらい座れる
シアターも用意されています。
因みに1階部分はすべて無料。
1階のチケットカウンターで
チケット(現金のみ)を購入し、
エレベーターで最上階の4階へ。
すみだ北斎美術館初の企画展は
「北斎の帰還-
幻の絵巻と名品コレクション-」
メインの展示は、約110年余りも
行方知れずとなっていた幻の絵巻、
「隅田川両岸景色図巻」。
北斎が46歳の頃に描いたとされ、
縦28.5cm、横633.5cmという
北斎最長の肉筆画で、
昨年2015年に海外で再発見され、
晴れて日本へ里帰りしたそうな。
因みに企画展は写真撮影禁止ですが、
常設展は撮影禁止マークが
付いている絵以外は撮影可能デス。
そして、常設展でも沢山の絵が
年代別にご覧になれるんですが、
その中でも特に注目したいのが、
「富士越龍図(左)」と
「千鳥の玉川(右)。
特に左の「富士越龍図」は
北斎の絶筆の絵に近いとも言われ、
つまり88歳で亡くなる直前近くに
描かれた直筆画だそうで、
宙を舞う龍を間近で見ると
本当に神々しい作品なのデス。
そういえば富岡鉄斎も
晩年に凄い絵を描いてましたが、
絵師って年齢による衰えが
まったくないのしょうか。
そんなわけで、
「隅田川両岸景色図巻」と
「富士越龍図」の2点、
ぜひ現物をご覧になってください。
そして、冒頭でご紹介した
『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』
『冨嶽三十六景 凱風快晴』 も
もちろん展示されてますので、
お見逃しなく。
◆葛飾北斎(満88歳)
1760年10月31日 – 1849年5月10日
「画家は長寿」という説を
実証した絵師の一人でありますネ。
◆すみだ北斎美術館
住所;東京都墨田区亀沢2-7-2 地図
TEL:03・6658・8931
開館時間:9時30分~17時30分(入館は17時まで)
休館日:月曜(祝・休日の場合は開館し翌平日休館)、
年始年末(2016年12月26日~2017年1月1日)
観覧料:「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」は1,200円、常設展400円
アクセス:都営大江戸線「両国」駅A3出口より徒歩5分、JR総武線「両国」駅東口より徒歩9分
因みに隣の公園からは
東京スカイツリーもご覧頂けます。
最後にどうして墨田区に
美術館が作られたかと申しますと、
葛飾北斎は一生のうち93回ほど
引っ越しをしてるらしいのですが、
そのほとんどの住居が
墨田区内にあったそうデス。
そして、特に生誕の地である
本所割下水を「北斎通り」と
名付けられ、その通りに面した
緑町公園内にすみだ北斎美術館が
作られることになったわけデス。