花は散るからにこそ美しい。
3月4日放送の月9ドラマ
『トレース~科捜研の男~』で
見掛けた試験管型の花瓶。
挿されていたのは黄色い2輪の薔薇。
さて、この2輪の花を見ると
豊臣秀吉と千利休の逸話
「一輪の朝顔」を思い出す。
こんな逸話だ。
千利休の聚楽屋敷に美しい朝顔が咲いていると耳にした秀吉は、すぐさま朝顔の茶の湯を所望し、利休の屋敷に訪れる。ところが、庭の朝顔の花はすべて切り取られていて何もないではないか。秀吉はいったい何事かと思いながら茶室に入ってみると、床の間に見事な朝顔が一輪だけ。その朝顔の美しさに秀吉は大いに感心したという。
この逸話での利休の真意が
いったいなんであったのか
様々に取り沙汰されている。
1. 美しい朝顔をたくさん見せるのではなく、その中からよりすぐった最高の一輪、つまり侘び錆びの美を秀吉に見てもらいたかったという説。
2. 切り取られた朝顔をこれまで秀吉が奪ってきた命とし、一輪の美しい朝顔を天下人秀吉に見立てた、つまり秀吉への戒めを表したという説。
さてさて、どっちだったんだろうか。