本・平成臨終図鑑。

平成臨終図巻

命の灯が消えるとき。


在宅医療のスペシャリスト
長尾和宏医師の著書

平成臨終図巻

山田風太郎の名著
人間臨終図鑑に肖って
平成時代に亡くなった
高倉健、菅原文太といった
著名人たちの死因や病歴を考察し
彼らの死に際の思いに迫った書である。

昭和時代に生きていれば
誰もが知る様々な著名人の死が
本書には紹介されているが
特にボクが気になったのはこのふたり。

小松製作所社長だった安崎暁さん
そして、野村克也監督の奥さんだった
サッチーこと野村沙知代さん(85)

安崎さん(81)は
2017年、末期の胆嚢癌に
罹患していたことが分かると
ガンが転移していたこともあり
延命治療はいっさい行わず
年末に1000人規模の生前葬を開催
にぎやかにお別れの挨拶を行い
2018年5月、自宅で息を引き取ったそう。

生前葬にて意識のある間に
お世話になった方々へお礼をする
なんとも潔い人生の幕引き方ではないだろうか。

そして、野村沙知代さんは
野村監督と一緒にレストランで
食事をした翌日の遅い朝
隣りで寝ていた野村監督に

「左手を出して。手を握って」

と声を掛けたのを最期に
言葉を発することができなくなり
朝食中のテーブルで意識を失い
救急車で搬送されるも
監督に看取られながら虚血性心不全で永眠。

今年はじめ
ごく僅かな時間ながらも
痙攣性狭心症の発作を食らった
ボクとしては他人事に思えず。

以上、なかなか興味深い書であった。

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□

ジローさん爽やかやねー