BOTTEGA VENETAの歴史

BOTTEGA VENETA (ボッテガ・ヴェネタ)


創業者:モルテド夫妻
創業年:1966年
創業地:イタリア ヴィチェンツァ

ボッテガ・ベネタの歴史
1966年、モルテド夫妻がイタリア北部のヴェネト州ヴィチェンツァにてヴェネト地方の熟練した革職人の伝統技術を生かした高級皮製品を生産する小さな工房「ボッテガ・ヴェネタ」を創業。ボッテガ(工房)の名の通り手作業による革製品作りを行い、「シルクのようだ」とも評される滑らかななめし革の革紐を用いた編みこみバッグ「イントレチャート(intrecciato)」や茶と黒の生地を合わせたマルコ・ポーロシリーズ「ポインテッド・ ヒール」などが有名。

ボッテガ・ヴェネタが世界的なブランドとして成長した転機になったのは、2001年グッチグループ(PPR)の傘下になってからである。クリエイティブ・ディレクターにエルメスやソニア・リキエル・オムでのデザイン経験があるドイツ生まれのオーストリア人、トーマス・マイヤーが起用され、グッチの資本力とボッテガが本来持ち合わせていた重厚なブランド力と工房の高い伝統技術にマイヤーの革新的なスタイルのディレクションが加わったことでブランドは急成長する。光沢のある新「イントレチャート(intrecciato)」、ピラミッド型のショルダーバッグなどが当時人気を集め、さらに近年では革素材だけでなく、ナイロン素材の「ヴェネタシリーズ」や「ビーズバッグ」も人気化している。

日本国内においては、1974年アオイによって紹介され展開されていたが、グッチ・グループに入ったことでボッテガ・ヴェネタジャパン社が設立され、現在は日本法人が主導して展開している。2002年、トーマス・マイヤーが監修を務めた新コンセプトの旗艦店「ボッテガ・ヴェネタ青山」がオープン。これはミラノ、パリ、ロンドンに続く店舗であった。現在青山店は表参道ヒルズ内に移転している。さらに2007年4月7日に世界最大規模の旗艦店として銀座店がオープンした。

銀座店の1階~3階は店舗スペース、4・5階には日本法人の本社機能とショールームを置く。売り場面積は約900平方メートルで、店内は中心に設置された15メートルの階段と3階分の吹き抜けが特徴。インテリアデザインは同社の旗艦店コンセプトに従っており、アフリカ産ウォールナッツ(くるみ)を使った天井や特別に染色したニュージーランド産ピュア・ウールのカーペットなどを配置したほか、「快適さが感じられる空間でショッピングが楽しめるよう、落ち着きのある感覚的な色合いを使用した」(同社)という。外観は、3階まで取り付けられたパームウッドと大きな縦型の窓のルーバー(よろい戸)が特徴的。

優れたレザー・グッズが長年愛されてきたボッテガ・ヴェネタは、近年、世界的なブランドの一つとして脚光を浴びているがブランドロゴが存在していない。ボッテガ・ヴェネタの有名なモットー「自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)」には、個性と自信を尊重するブランド哲学が表現されているからである。現在では、レディースおよびメンズのプレタポルテ、ファインジュエリー、ファニチャーなど、ボッテガ・ヴェネタの様々な製品に反映されている。また、ボッテガ・ヴェネタは職人技の重要性を認識するとともに、伝統的な生活様式が壊れていくことを危ぶみ、2006年夏には、次世代の革職人を養成し、支援するための学校を開校した。