歴史探訪:浅草十二階(浅草凌雲閣)

誰もがよく知る論語にある名言『温故知新』。


紀元前500年前後と言われる途方もない古(いにしえ)の時代に
中国で儒教を起した思想家 孔子が諭した言葉でございますね。

そんな2500年もの間、語り継がれる『温故知新』なる言葉を
思い起こし、その昔ランドマークとなっていたような建築物を
東京に探してみたところ現れたのが冒頭画像の浅草十二階
(浅草凌雲閣)なる高層建築だったんです。

開業は明治23年(1890年)11月11日。
東京・浅草公園に隣接した千束町に出来た遊覧所だったそうで、
8階までは世界各国の物販店46店、上層階は展望室だったそう。

レンガ造りの10階の上に木造建築の2階があり高さ65m。
日本初のエレベーターも設置されたんだとか。
まさに今でいう東京スカイツリーだったわけですね。

残念ながら1923年9月1日に発生した関東大震災の揺れにより
建物8階部分より上が崩壊し、見物客十数名の死者を出し、
その後、爆破解体されることとなったそうです。

わずか33年間でしたが、日本で最初の西洋式高層建築として
忘れてはいけない『故』の建築物と言えるのではないでしょうか。