百 田 尚 樹 の 『夢 を 売 る 男 』。

夢を売る男 百田尚樹

いい意味でやられました。


影法師
永遠のゼロ
海賊とよばれた男

百田尚樹氏の著書に関しては
以上のような名作と言われる
小説しか読んでなかったので、

この度、歴代ワーストワンと
酷評されたりもしている小説

『 夢 を 売 る 男 』

を読んでみた次第デス。

わずか2時間で読了できる
相当に小粒な作品でしたが、
そこはさすが百田尚樹氏、

沈みつつある出版業界への
アンチテーゼを匂わせながら

詐欺まがいな新興出版社の
悪徳編集長な主人公でさえも

人情味溢れる
愛すべき詐欺師キャラ、
否、夢を売る男として
さらっと描いてしまうあたりは、
素直に感動してしまいます。

いやいや、
詐欺師はやっぱり詐欺師、
そこで感動しちゃダメなのか(苦笑)

PS.

で、もういっちょ
こんな本を読んでる最中デス。

白洲次郎 占領を背負った男」の
著書で人気となった北康利氏が
昨年書き上げたばかりの著書

最強のふたり 佐治敬三 開高健

「最強のふたり 佐治敬三と開高健」

佐治敬三と言えば、
ご存じサントリー2代目社長にして
中興の祖と呼ばれる辣腕経営者。

そして、文豪 開高健の実力を
見抜いた男として著名デス。

かたや開高健と言えば、
佐治敬三に実力を買われ、
そのサントリーの広報部に
在籍しながら芥川賞を受賞した
異色の文豪であることは
誰もが知るところデス。

もちろんこの二人の友情物語が
本著の主題であるわけなんですが、

開高建と言えば
やっぱりベトナム戦争でして、

ボクが生まれた年でもある
1965年2月14日、
南ベトナム軍のサ・マック作戦に
従軍記者としてわずか1日だけ
朝日新聞カメラマンの
秋元啓一氏と同行した際に
経験した生々しい戦争体験から
この物語は始まります。

1960~1970年代、
東西冷戦の時代でもあり、
アメリカが超ブラックだった時代、

ブッシュの時代も
相当に黒かったけど、
当時は超が100個くらいついてた。

その裏でというかそのお陰で
日本は奇跡的な経済成長を遂げた。

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「人間」らしくやりたいナ

 トリスを飲んで

「人間」らしくやりたいナ

「人間」なんだからナ

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この開高健が生んだ
サントリートリスの名コピーは
ベトナムに従軍するより以前の
1961年に発表されています。

がしかし、

軽々しく感じるこのコピー、
その裏にはとてつもなく深く重い
開高健の想いが詰まってるそうで、

この想いこそが
ベトナム戦争への従軍を
掻き立てたのかもしれません。