ブランドが誕生しうる
必要不可欠な要素とは?
誰も見たことがない
誰も経験したことがない
誰にも真似できない
そんな個性なんだと思う。
東雲乃風
エル・デコ 2017年08月号の表紙を飾っていたのは、なんと”Marimekko / マリメッコ”の”ウニッコ”!?
さて、マリメッコってブランドをご存じでしょうか。
今年12月にロシアからの独立100周年を迎える北欧フィンランドのヘルシンキで1951年に生まれた世界的アパレルブランドです。特に冒頭のエル・デコの表紙にも使われている”ウニッコ”と呼ばれるケシの花柄プリントがアイコンと言われ、エミリオプッチのプッチ柄と双璧をなすほどオリジナリティに溢れています。皆さんもこのウニッコは一度や二度くらい街で見掛けたことがあるのではないでしょうか。
このマリメッコが生まれる経緯がなかなか面白いので、以下手短にご紹介いたします。
もともとマリメッコは1949年に創業者であるラティア夫妻がヘルシンキで興した”プリンテックス”という名のプリント生地工場に起源があります。
その工場では妻アルミ・ラティアの指揮の下、”ウニッコ”を描いたマイヤ・イソラらテキスタイルデザイナー陣が個性的なプリント柄を数多く企画していたんですが、なかなか販売に結びつくことができませんでした。
そこで、アルミはそれらプリント生地の利用方法を提案するため、当時ファッションデザイナーとして評価の高かったリーッタ・インモネンに洋服のデザインを依頼し、プリンテックス独自のファッションショーを開催することにしたんデス。
ところがこのファッションショーがいきなり大ブレイクし、ショーに出品した服が飛ぶように売れてしまいます。そこで、アルミはそのショーの数日後、間髪入れずアパレル会社を新たに登記するんですが、その会社名とブランド名がマリメッコ”というわけですネ。因みにマリメッコとは「マリーの洋服」という意味デス。なんか慌てて名前を付けた感じがしないでもありませんが、アルミの商才と恐ろしいほどの機動力には頭が下がります。
そして、1960年のアメリカ大統領選挙において、ジョン・F・ケネディ候補夫人のジャクリーン・ケネディがマリメッコのドレスを愛用していることが報じられると、アメリカでも大ブレークし、一躍世界的なブランドとして飛躍を遂げたのでした。めでたし。めでたし。
PS.
最後に、アルミの英断を可能にしたのは、やはりマイヤ・イソラらがデザインしたプリント柄のオリジナリティにあったのではないかと。誰も見たことがない、誰も経験したことがない、誰にも真似できない、そんなオリジナリティ溢れるプリント生地が必然的にマリメッコを生んだのだと思います。
なお、ミナ・ペルホネンのタンバリン柄の生地も同様のオリジナリティを備えているようにボクは思います。
□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□□□□
エル・デコ 2017年08月号 P88-91に掲載されてるこの室内は、パリにあるデンマークの広報拠点「ラ・メゾン・デュ・ダンマーク」のレストランだそうデス。
デザインしたのはイタリア人のエンリコ・フラテージとデンマーク人のスティーネ・ガムの夫妻、ユニット名は通称”ガムフラテージ”。
ボクの大好きなブルーグレーの色がふんだんに使われていて羨ましい限りデス。なかなかブルーグレーのアイテムって日本では見掛けないんですよね(涙)
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