時代を超えて、いいもの。

&Premium (アンド プレミアム) 2017年 12月号 表紙

女性誌だってそうこなくっちゃ。


今月発売の& Premium 12月号
女性ファッション誌には珍しく
タイムレスがキーワード。

一に流行、二に風潮
三四がなくて五にトレンドな
アイテムばかりを追求する
女性ファッション誌が多い中

祖母から母へ、母から子へ
受け継がれるような
女性的タイムレスなアイテムが
数多く紹介されてます。

掲載されてるアイテムが
かなり乙女チックなんで
男性陣が読んでも
特に響かないかもしれないけど
トレンドに振り回されない
クラシカルな趣向の女性が
増えてくれるとオッサン的には
ちょっと嬉しいかもしれません。

一点、広尾ガーデンヒルズが
ヴィンテージマンションとして
今後も世の憧れの住まいで
あり続けるだろう論評には
納得がいくところデス。

あー住んでみたい。

 

 

 

 

 

□□□ 東雲乃本 □□□□□□□□

「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?

★★☆☆☆
「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
著者:村上春樹
イラスト:安西水丸

なんちゅう長いタイトルの本なんよ、と一瞬訝しく思ったりするんですが、タイトル通り村上春樹さんが迷える読者からの質問に答えるQ&Aモノです。

だいたいが「ソレってほんとかよ?」って思えるようなビンボール紛いの質問に、春樹さんがうまくかわして毒吐きながら面白おかしく回答するパターンなんですが、ひとつだけキュッと身の締まったQ&Aがありましたので、それだけかいつまんでご紹介します。

そのQ&Aとは「憲法改正に関して村上春樹はどう考えるか?」でした。

春樹さんは日本がアメリカより酷い経済バッシングされてた頃からアメリカに在住されてました。なので、湾岸戦争が起きた時なんかも「日本は強力な軍隊を持ってるにも拘らず、金だけ出して血は一滴たりとも流さない。そのくせ経済的に甘い汁を吸いやがってなんて狡い国なんだ(怒)」なんてことを、アメリカの押し付け憲法であることを棚上げされて、幾度となくアメリカ人から突っ込まれたそうデス。

そんなこともあって、当時より春樹さんは日本憲法をどうすれば良いのかを随分自分で考えられたそうデス。

で、悩みに悩んだ末に出した答えは、「今のままでがんばってやっていこうじゃないか」。誰がどう見ても日本憲法は矛盾やねじれだらけ、偽善性が含まれてて、国内外からバッシングされても仕方ないのは確か。

でも、それでも日本人が今の憲法を支えていくことによって、日本人は「深い」精神を持つ国民になれるのではないか。竹を割ったように現状に合わせて矛盾やねじれを取ることはとても簡単なことかもしれない。だけど、それを突き詰めていくと逆に怖いことが待ち受けてる気がする。但し、この議論はずっとやり続けていくべき課題だと思う、と回答されてます。

春樹さんの言う「怖い」というのは、過去の日本の歴史を振り返るに日本人が極端に右へ倣えな民族であることを危惧して発言されてるのかなとも受け取れますが、実際はどうなんでしょうね?

以上、なんとも春樹さんらしい回答で大変参考になりました。

そもそも憲法とは、国家もしくは政府が悪事を働かないよう縛るための法律。憲法改正が絶対ダメとはもちろん言いませんが、政府の都合のいいよう改正がなし崩し的に行われるのだけはちょっと困りますよね。

で、あともうひとつだけ気になったQ&Aが春樹さんの幻のラブレターの件デス。

村上主義者の方なら誰でも知ってる有名な逸話ですが、学生結婚だった春樹さんは結婚前に奥様の陽子さん宛てに熱烈なラブレターを書いてしまったデス。で、そのラブレターの内容がとんでもなく凄かったと陽子さんが吹聴してるんですね。

なので、春樹さんはその陽子さんに宛てたラブレターをなんとしてでも探し出して焼き捨てようと考えたそうなんですが、どうしても在処が見つからない。

もし自分が嫁より先に死んだら、死後に何をされるかわかんないってことで、なんとか陽子さんより長生きして手紙を処分してやろうと身体を鍛えて健康を保ってるそうデス。ふふふ(笑)