尾形光琳の燕子花図。

本展覧会は5/12(日)まで。


カキツバタの咲く季節だけ公開される尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」を南青山にある根津美術館にて観賞。

TV番組「新・美の巨人たち」にてシシド・カフカがこの屏風の見所を紹介してくれていたおかげで、予めこの画との向き合い方が分かっていたことは助かった。

カフカさんありがとー

がしかし、この「燕子花図屏風」以上に目を引く作品が目白押しなことに驚いた。

特に江戸前期に描かれたとされる8曲1双の「洛中洛外図屏風」、江戸中期に描かれたとされる6曲1双の「伊勢参宮道中図屏風」は圧巻の作品だ。

何故ならボクの美術作品の評価基準は、自分が実際に描いてみたら何時間掛かるかだからだ。もちろん長く時間がかかるだろうと思った作品が良作。

つまり、そういう偏った評価基準からすれば、「燕子花図屏風」はひと月あれば余裕で描けそうな気がしたためボクにとっての傑作にはならないのだ(苦笑)

逆にたとえ作者不明であっても「洛中洛外図屏風」や「伊勢参宮道中図屏風」は描くのに数年は掛かるだろうことからボクにとっての傑作なのだ。

光琳さん、ゴメンナサイ。

但し、MOA美術館に所蔵されているニ曲屏風一双の「紅白梅図」は傑作中の傑作だと思う。また、光琳模様と言われる普遍的でオリジナリティある意匠を遺したことも大変な功績だと思う。

また今回の展覧会ではご覧の尾形光琳の父・尾形宗謙が描いた新古今和歌集抄の書と絵には感動させられた。お父ちゃんやるやんって感じだった。

そして、根津美術館が誇るカキツバタの咲く庭園。

南青山にあるとは思えないほど緑が生い茂る巨大な庭園が美術館を覆っているのだ。

根津美術館の設計者は巨匠・隈研吾氏。

もう何時間でも佇んでいられそうなくらい心地良い美術館である。

繰り返しますが本展覧会は5/12(日)まで。