了・海辺のカフカ(下)。

海辺のカフカ

傑作中の傑作だった。


コレは小説じゃない。
ピカソやマチスをも超えた
異次元世界を文字で描いた芸術だ。

一体村上春樹の頭ん中は
どんな構造になってんだろ?

さて、例によって
山梨でのお椀山事件も
シャツについた血の跡も
ナカタさんの爆睡の理由も
ジョニー・ウオーカー殺害事件も
カーネル・サンダースさんの正体も
なにひとつ謎が回収されることなく物語は終わった。

相変わらずブレない村上文学である。

若い頃なら謎が解明されず
きっと悶々として周囲に
当たり散らかしていただろう。

でも、齢57にもなると
そんなことを気にすることはなくなった。

よく言えば器が大きくなった?
悪く言えば探求心が失せたのかもしれない。

ただひとつ言えることは
主人公の底知れない思慮の深さ
そして、主人公を正しい方向に導く
さくらさんや大島さんといった
脇役たちのメンターぶりには心より感服した。

齢57になっても
とても彼らの深慮には敵わない
まだまだぜんぜん修行・勉強が足りないのだと。

以上、誰も彼もがこの物語に
共感することはないかもしれない

でも、ボクにとっては文句なく★★★★★の作品だ。

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□

エステーのCMはいつもおもろいネ。

#消臭力