探偵ドラマ対決『ロング・グッドバイ』vs『リバースエッジ 大川端探偵社』

どっちが好き?探偵ドラマ対決!『ロング・グッドバイ』vs『リバースエッジ 大川端探偵社』

どっちがハードボイルド?


さて、日本の探偵ドラマと言えば、古くは萩原健一と水谷豊の「傷だらけの天使」、古谷一行の「金田一耕助シリーズ」、松田優作の「探偵物語」が思い出され、最近では松田優作の次男 松田翔太の「潜入探偵トカゲ」、永瀬正敏の「私立探偵 濱マイク」、ドラマではありませんが、大泉洋と松田龍平の映画「探偵はBARにいる」などがあったりします。

どっちが好き?探偵ドラマ対決!『ロング・グッドバイ』vs『リバースエッジ 大川端探偵社』

がしかし、こと探偵=ハードボイルドというオッサン臭い観点からするとどの作品もイマイチぱっとしない。日本人にハードボイルドな演出はちと難しいかと勘繰ってしまいます。但し、探偵モノじゃないですが織田裕二の「外交官 黒田康作」は個人的にいい線いってたとは思いますが。そこへ今クールNHKから鳴り物入りで放送されているのが、レイモンド・チャンドラー原作のハードボイルド小説「The Long Goodbye」を和製ドラマ化した『ロング・グッドバイ(長いお別れ)』。2007年に村上春樹が原作を新訳したことでも知られています。

因みに田舎の高校の同窓会の2次会とか3次会でよく使っている洋風居酒屋の名前が「フィリップ・マーロウ」だったりします。「The Long Goodbye」の主人公である私立探偵の名前デスね。

主演は探偵 増沢磐二役の浅野忠信、第1話で命を絶ちドラマのキーとなる原田 保役には綾野剛。他にも柄本明をはじめ吉田鋼太郎、古田新太、田口トモロヲ、遠藤憲一、福島リラ、小雪、冨永愛、石田えりなどの豪華布陣を形成。そして、1950年代半ばのファッションを再現するスタイリストは北村道子。因みに浅野忠信は本作品が意外にもドラマ初主演となるそうです。

どっちが好き?探偵ドラマ対決!『ロング・グッドバイ』vs『リバースエッジ 大川端探偵社』

では、簡単にストーリー(あらすじ)をご紹介します。

時は1950年代半ばの東京。キャバレー紅夢のステージで唄う歌姫リリー(福島リラ)がステージを前に客の男と失踪した。キャバレー紅夢の支配人よりリリー捜索の依頼を受けた私立探偵の増沢磐二(ばんじ・浅野忠信)はステージ開始までの間に彼女の居所を掴み、そつ無くキャバレー紅夢に彼女を引き渡す。

そんな地味な探偵稼業を日々続けていたある日、磐二は、キャバレーの駐車場で一人の男 原田保(綾野剛)と出くわす。保は妻であり人気女優でもある原田志津香(太田莉菜)の車から引きづり出され、雨の中に放り出されていた。保が志津香に別れたいと切り出したからだ。そんな光景を目にした磐二は、哀れに思ったか保を自分の事務所に連れ帰り、暖かいコーヒーを淹れてやる。以来、保は度々磐二の事務所に現れ、二人はバーに一緒に飲みに行くようになる。

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そして、幾日か経って保と志津香は寄りを戻すことになったのだが、それから数か月後の深夜、血まみれになった保が磐二の事務所に現れる。「これから台湾に逃亡するから横浜港まで連れて行ってくれ。」と頼む保を磐二は黙って車に乗せ、横浜港で保を下した後、磐二は何も言わずに横浜港をあとにする。

翌朝、保の妻 志津香が死体で見つかった。そして磐二は妻を殺した保の逃亡を幇助したという容疑で逮捕される。磐二は手荒い取り調べを受けるが口を割らない。ところが数日後、磐二は突然釈放される。保が台湾で自殺を図ったとの知らせが入ったのだ。磐二はすぐさま釈放されることになったが、世間はこの事件に対して意外なほど物静かだった。人気女優を殺した夫が台湾で自殺というゴシップ欄一面を何週間も飾れるはずのネタにも関わらずだ。

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磐二が釈放され、警察署の表に出ると、新聞記者の森田(遠藤憲一)が一人待ち構えていた。「おかしいと思いませんか?この事件にはピタリと蓋がされたんです。」

殺された女優 志津香の父でもありメディア王でもある原田平蔵(柄本明)は次の衆院選に出馬する。しかしこの騒ぎが長引くほど選挙には不利となる。何やら裏でどす黒いモノが蠢いていると磐二は予感する。森田は挑発的に磐二にこう言い放った。「あなたこそ原田保の無念を晴らしてやるべきじゃないでしょうか?」

しかし、磐二は保の死に疑問を抱くも、事件は原田平蔵の手によってことごとくもみ消されてしまう。その後、別の事件で原田家の隣人達と関わるようになった磐二は、酒に溺れた小説家・上井戸譲治(古田新太)や出版社の編集者(田口トモロヲ)、殺された志津香の姉(冨永愛)などを巻き込みながら事件の真相を握る絶世の美女・亜以子(小雪)にたどり着く。いよいよ事件は決着したかに見えたのだが。。。

https://www.youtube.com/watch?v=J1v_QYuiDy8

 

如何でしょ?ま、あらすじは何処にでもあるような古典的なモノではありますが、1950年代半ばの戦後復興期の雰囲気の演出も映画作品をも凌駕するほどよく出来ておりまして、主演の浅野忠信がこれまた強烈に主人公 増沢磐二役の適役であるんです。このままいけば日本ドラマ史上最強のハードボイルド作品の誕生は間違いないところかと。もうこの作品見逃したら日本のハードボイルドは語れない!ってくらいの素晴らしい出来かと思いますので、まだご覧になってない方はNHKオンデマンド(第1話は終了?)で視聴してで見るべきかと思います。名作「ハゲタカ」と同様 映画化もほぼ確実ではないでしょうか。演出も同じ堀切園健太郎氏ですしね。

土曜ドラマ『ロング・グッドバイ』
2014年4月19日(土)スタート!
【総合】毎週土曜日 午後9時00分から9時58分 <58分・連続5回>
再放送:【総合】毎週月曜日 午前0時50分から1時48分(日曜深夜)

演出:堀切園健太郎
原作:レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』
脚本:渡辺あや
プロデューサー(制作統括):城谷厚司、谷口卓敬

『ロング・グッドバイ』平均視聴率
第1話 7.6%
第2話 5.6%
第3話 4.0%
第4話 3.6%
第5話 3.7%

ありゃりゃ、こんなに視聴率低いんだ!?
深夜枠での合算した視聴率が知りたいところデス。

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で、『ロング・グッドバイ』に対してもうひとつ、今クールに放送されている探偵ドラマがオダギリジョー主演の『リバースエッジ 大川端探偵社』。

コチラはひじかた憂峰原作、たなか亜希夫作画による『週刊漫画ゴラク』で不定期連載中の漫画だけにちょっとハードボイルドからは遠い感じ?否、全然遠い感じデス(苦笑)

ストーリー(あらすじ)はとってもシンプルでして、東京・浅草の隅田川沿いの雑居ビルにある探偵社「大川端探偵社」。調査員である村木 タケシ(オダギリジョー)、その経歴は謎に包まれている所長 大川端 一平(石橋蓮司)、美人受付嬢メグミ(小泉麻耶)の3人で、ひと癖もふた癖もある依頼人の調査を通じたドタバタ喜劇?って感じデス。それにしても天下の日経新聞の子会社でもあるテレビ東京がこんな超B級なドラマ作っててもいいの?っていう感じではありますが(汗)

 

「まほろ駅前番外地」にとってもよく似た雰囲気ではあるんですが、特に第2話「セックスファンタジー」は完全にOUTでしょ!あれは深夜枠だからと言って、テレビ東京が放送しちゃ駄目かと(苦笑)きっとワールドビジネスサテライトのスタッフがマジ怒りしてることと想像出来ます(笑)

ドラマ24『リバースエッジ 大川端探偵社』
2014年4月18日(金)スタート!
【テレビ東京系列】毎週金曜日 午前0時12分~

以上、あくまで個人的な意見でございますので、どうぞ気になさらずにご自身の目でお確かめ下さいませ。で、肝心の視聴率のほうですが、『ロング・グッドバイ』は初回7.6%で、第2話5.6%と超低空飛行。深夜に再放送されているからだと思いますが、ちょっと残念な結果デス(涙)『リバースエッジ 大川端探偵社』の視聴率は調べたんですが出てこない模様(滝汗)