カエサル伝 最終章。

絨毯の中からカエサルの前へ現れるクレオパトラ

初めて会うカエサルの前へ
なんと絨毯の中から
裸で現れるクレオパトラ!?


コチラコチラで書いた
カエサル伝の最終章デス。

さて、ファルサロスの戦い後、
カエサルはポンペイウスを追って
エジプト・アレキサンドリアに
上陸したのだったが、

既にポンペイウスはエジプトの
宰相ポティノスよって暗殺され、
代わりに待っていたのが、
世界三大美女の一人と言われる
クレオパトラ7世であった。

冒頭画像の絵画の通り
クレオパトラ7世は
初めて会うカエサルを前に
ペルシャ絨毯の中から
しかも裸で現れるという
力の入った演出ぶり!?笑

それもそのはず
その頃のエジプトは、
血の繋がった姉弟でありながら、
仮面夫婦?であったファラオの
プトレマイオス13世(弟)と
クレオパトラ7世(姉)の二人が
権力闘争していた時期で、

※古代エジプトの風習で
ファラオになるためには
王家と血の繋がった女性と
結婚しなければならなかった。

女を武器にしてでも
カエサルを味方につけ、
夫プトレマイオス13世より
有利な立場でいたかったのである。

そのクレオパトラの策略に
まんまとハマってしまったのか
プトレマイオス13世は、
こともあろうかカエサルに
先制攻撃を仕掛けてしまう。

仲裁役を買ってでようと
考えていたカエサルであったが、
結局姉クレオパトラ7世側に加勢、
紀元前47年ナイルの戦いで、
プトレマイオス13世の軍に
苦戦しながらも打ち負かす。

その結果、
カエサルの庇護のもと
クレオパトラ7世と
次弟プトレマイオス14世が
名目上の婚姻を行い、
共同でファラオの地位に
就くことになったのである。

同時にカエサルは
クレオパトラ7世を愛人とし、
後のプトレマイオス15世となる
息子カエサリオンをもうけている。

クレオパトラ、恐るべし!

そして、カエサルは
クレオパトラを溺愛しながらも
ローマの共和政の改革に着手し、
元老院の機能・権威を低下させ、
紀元前44年2月、カエサル自らが
終身独裁官に就任したことで、
ローマを完全に掌握してしまう。

がしかし、

クーデターによって得た
カエサルの栄光の日は
そう長くは続かなかった。

終身独裁官として
絶対的な権力を握るカエサルに
ガイウス・カッシウスらの
共和主義者たちが共和制崩壊の
危機感を抱き始める。

そして、紀元前44年3月15日、
運命の日がやってきた。

ポンペイウス劇場での
元老院会議の開会前、
劇場に隣接する列柱廊において
カッシウスら十数名らによって
カエサルは23カ所を剣で刺され、
無残に暗殺されてしまうのだ。

その時、カエサルは暗殺者の中に
愛人に産ませた実の子、
マルクス・ブルータスを見つけ、
それによって抵抗するのを止め、
誰もが知る最期の言葉を呟いて
カエサルは絶命したのである。

「ブルータス、お前もか」

しかして、もうひとつの説がある。

マルクス・ブルータスとは別に
デキムス・ブルータスという
カエサルの遠縁にあたる腹心が
存在していたという。

そのデキムス・ブルータスこそが
カエサル暗殺の首謀者であり、
「ブルータス、お前もか」の
ブルータスだったのではないかと。

The_Death_of_Caesar_-_Walters

『カエサル暗殺』(1867年)
仏ジャン=レオン・ジェローム作

ご覧の絵画の通り、
カエサルの倒れた場所が
政敵だったポンペイウス像の
真下であったのも
何かの因縁だったのかもしれない。

             (了)