君は「ダンヒル・ナミキ」を知っているか?

表紙 メンズプレシャス 2016年春号 MEN'S Precious 2016SPRING

東京ジェントルマン、
50の極意。


年間わずか4回発行の
読み物系メンズファッション誌
メンズ・プレシャス2016春号が
ようやく手元に届きました。

本号におきましても相変わらず
読み応えのあるコンテンツが
テンコ盛りなんですが、
その中でもキラリと光った
珠玉のようなコンテンツが此方。

DUNHILL_NAMIKI ダンヒル・ナミキ 万年筆 ダンヒル パリ店責任者 グレメント・コート 並木製作所 和田節治

東京ジェントルマン、
“ダンヒル”と絆を結ぶ。

1918年に創業し、
日本初の国産万年筆を作った
並木製作所(現パイロット)の
ロンドン支店長に赴任し、
海外営業担当も兼ねていた
創業家出身の和田節治氏が

時は戦前の1927年(昭和2年)、
パリのデュラペ通りにあった
ダンヒル・パリ店の支配人
クレメント・コートと並んで
一緒に撮影された画像が
P174に飾らています。

パイプを銜えた
クレメント・コートの
ダンディぶりが突出してますが、

後にパイロットの社長となる
和田節治も決して負けてません。
若干26歳とは思えぬ
威風堂々とした写真写りかと。

さて、当時NY、パリと出店し、
飛ぶ鳥を落とす勢いのあった
英国ブランド・ダンヒルですが、

そのパリ店の一切を仕切り、
世界中の名品を販売していた
コートの目に適ったのが、

1927年のある日、
ダンヒル・パリ店の門を叩いた
和田節治氏の持ち込んだ
日本製の万年筆でありました。

和田氏は日本独自の美術である
「蒔絵」が描かれた万年筆を
クレメント・コートに提案し、
コートは即決で取り扱いを決定。

契約締結と別注商品開発のため、
直ちに二人でシベリア鉄道を使い
ベルリン、モスクワ、モンゴル、
中国、朝鮮半島を経由し、
また日本国内をも巡るという
壮大なスケールの旅をしながら
ビジネスとそれを遥か超える
友情をも育んでいったそうデス。

そして、彼らの共同開発した
蒔絵が描かれた万年筆の名は、

「ダンヒル・ナミキ」。

そして、ダンヒル・ナミキは
今も同じWネームにて
ダンヒル・パリ店において
定番販売されているそうデス。

“ダンヒル”なくして
東京ジェントルマンはあらずデス。

PS.

愛用のプラチナ万年筆の歴史は
コチラに書いてます。

パイロットの創業は1918年、
プラチナの創業は1919年。

わずか1年違いだったんですね。

因みにウォーターマンは1883年、
モンブランは1906年の創業デス。

モンブランって万年筆業界では
意外に新しいブランドなんデス。