村上春樹、安西水丸さんを語る 。

コヨーテ 安西水丸 coyote_anzai_mizumaru

COYOTE No.58
安西水丸 おもしろ美術1年生


先日改装し終えたばかりの
青山ブックセンター本店にて

2年前の2014年3月に
惜しくも71歳の若さで
お亡くなりになられた
人気イラストレーター
安西水丸さんの特集本を発見した。

例によってパラパラと
店頭で立ち読みをしてたら、

冒頭、村上春樹さん本人が、
水丸さんとの馴れ初めというか、
最初に出会った頃の思い出を
事細かに語っているのが
とても印象に残ったので、
以下簡単にご紹介させて頂く。

もともと村上春樹さんは
小説家デビューする前から

平凡社「太陽」の編集長だった
嵐山光三郎さんが手掛けていた
「チューサン階級ノトモ」なる
雑誌内雑誌に描かれていた
安西水丸さんのイラストが
とてもお気に入りだったそう。

で、村上春樹さんが
1979年に「風の歌を聴け」で
群像新人文学賞を受賞した頃、

まだ千駄ヶ谷にあった
ジャズ喫茶「ピーターキャット」
を地味に経営していた頃、

偶然にも水丸さんの自宅が
千駄ヶ谷近くにあったらしく、
春樹さんのお店に水丸さん自身が
度々顔を出すようになり、
親交を深めていったそうだ。

お店には水丸さんが連れてきた
嵐山光三郎さんや糸井重里氏も
度々顔をだしていたとか。

その後、水丸さんと春樹さんは
『象工場のハッピーエンド』、
『村上朝日堂』など多くの
共著を出版することになったのは
ハルキストならご存知の通り。

なお、「ノルウェイの森」の
主人公「ワタナベトオル」は
安西水丸さんの本名である。

村上春樹さん以外にも
安西水丸さんの娘・安西カオリさん
エッセイストの平松洋子さん
自称「イラストライター」の南伸坊さん、
イラストレーターの和田誠さん

などなどの著名人の方々が
水丸さんとの生前の思い出を
愛情込めて語られている。

こんなふうに沢山の人たちに
愛されて想われて慕われて
あの世へ旅立つんだったら
死もまた一興かもしれないと思った。

但し、

そんな人格者になるには
水丸さんと同じくらい
周囲に無償の愛、笑顔を
振り撒き続けなければならない。

否、

人は本来そうあるべきなのだ。

さ、今日から笑顔の練習だ。

PS.

水丸さんの印象的な言葉。

ふふふ、
悪いことなんかしないよ。
いいことしかしないもの。