ずらっと並んだ歴代のバドワイザーの缶達です。
最近は滅多に見る機会がなくなったバドワイザーの缶ですが、こうやって並べてみるとなかなか壮観ですね。なんとなく歴代のウルトラマンに似てなくもありませんがw
実はこのバドワイザーの缶デザインが11年ぶりに変わるんだそうです。新デザインが下の写真の右側の缶です。
如何でしょうか?益々ウルトラマンっぽくなったような気がしないでもないですが。プルトップのタブが赤色になってるのは大きな変化ですね。世界ビール市場5%という最大シェアのビールブランドでも変化しないと安閑としてられないってことでしょうか?
さて、ようやく本題です^^; スイマセン
実は私、もうかれこれ12年ほど前になるのですが、このバドワイザーのジャパン社に3年半ほど営業として勤務してたことがあったんです^^;
最後はバドワイザージャパン社創設から6年で200億円以上という巨額な累積赤字のお陰でジャパン社は事実上の倒産となり、全社員解雇というとんでもない結末になったわけですが^^;
※現在はキリンビールがバドワイザーを販売代理しています。
その解雇となる3年前はこんなCMシリーズが大ヒットして、社員全員とってもノリノリだったんですけどね^^;
日本の酒税の隙間を狙った発泡酒の出現によって瞬く間に売上が減少!慌ててバドワイザージャパン社でも日本限定の発泡酒ブランド「Buddy’s(バディーズ)」を出すものの時すでに遅し。一気に奈落の底に落ちてしまう結果となったのでした(涙)
今思えば当時何をすべきだったかを振り返りますと、やはり発泡酒の出現でどうマーケットに変化が起きるのかを事前に分析調査して先手を打っておくべきでした。日本の営業部ではもちろん予測できていたことで、何度も発泡酒分野への新製品投入を要求しましたが、なかなか日本の特殊事情をアメリカにいる経営陣は理解できずある意味大きな好機を逸してしまいました。
そして、もうひとつ大きくやるべきことがありました。それは新製品の発泡酒を継続的に飲用し続けた場合の味覚変化の調査です。キリンの「端麗」が発売されて一気に発泡酒に流れが傾いた頃、ようやく発泡酒開発に米国本社のOKが出たのですが、最初の口当たりだけに絞った味覚調査しか行われず、継続飲用による味覚変化の調査を一切行ってませんでした。
その結果、「最初は美味しかったけどだんだん不味く感じられるようになってきた。」という声が圧倒的になってきたのです。つまり、初めて飲んだ時は美味しく感じられても数本飲み続けると原料の特異な味覚を敏感に感じ取ってしまい、以後美味しく感じられなくなる場合が多々あるのです。
逆に最初は美味しく感じられなくても継続的に飲むことで美味しく感じる飲み物も存在します。ポカリスウェットなんかはその典型的な例ですね。ポカリスウェットの発売当初は売れないどころか不味すぎるというクレームまで発生しましたが、40億円と言う途方もないコストをかけて試飲する機会を増やし、徐々にファンを増やしたことで今のポカリがあります。
以上のように最初の口当たりの美味しさと、飲み慣れることによる旨さの追求を同時に調査研究しなければならないのです。
ファッションにおいてももちろん同じことが言えます。
例えばTシャツを例にしてみても最初に着た時の着心地と何度も洗濯を重ねた後の着心地とでは決して同じではありません。洗濯によって素材が伸縮してサイズが変わったり、風合いや色が変わったりと様々な変化が発生するはずなんです。
これらの経年変化による長期的な変化を含めて研究・開発して、初めて愛される服や靴が生まれてくるのではないでしょうか。エルメスなどはまさにその好例だと思います。
この点はビール・ファッション業界が異例なのではなく、すべての業界に共通して言えることだと考えます。継続的な使用や利用による顧客満足度を徹底的にリサーチし、継続利用すればするほど愛着が湧き慣れ親しむ商品やサービスを日本の得意とする木目の細やかなおもてなし精神で企画開発していくことが今の日本の物作りに求められているのではないでしょうか?
私が常々当ブログで申し上げている三世代モノ、いわゆるエルメスのバーキンのように使えば使うほど愛着が湧き、さらに100年以上の耐久性があって、親から子へ子から孫へ代々受け継がれていくHERITAGEなモノの探究もこの考え方に沿って行われているものであります。
100年とまでは言いませんが、長く使うつもりで色々な道具を揃えていきたいもんです。
ちょっと高いけど「一生もんだから」的な。
け~たさん
コメントありがとうございます。JALも先日国内線全クラスを価格の高い革張りシートに替えましたが、結局そのほうがメインテナンス費用含めコストダウンに繋がったりするんですよね。ちょっと高いけど長く使えるいいモノをお互い頑張って揃えてましょう!