どうなる新国立競技場。
前回コチラで新国立競技場の進捗をご報告してから再び大きな進展があったことは皆様ご存じの通りデス。ま、進展と言いましても、総工費が2,520億円に増えるというめっちゃ後ろ向きな進展ではありますが(滝汗)
もともと「新国立競技場基本構想国際デザインコンクール」と題したコンペティションでの建設予算条件は1300億円でありました。これに関してはデザインが採用されたザハ・ハディドも認識していたとのこと。ところが2012年11月16日にザハのグランプリ決定を発表し、相当時間を空けてからザハの初期デザイン案をそのまま建設すると3000億円以上のコストが掛かるとのあーびっくりな試算が出てしまいます。何をいまさらデス。
そもそも社会の一般常識としてコンペのグランプリを決定する以前に、ノミネートされた作品の建設コストが如何ほどになるのか、1300億円相当に間違いないか、設計デザイナーが見積もりを甘く見過ぎていないかぐらいのチェックは普通事前にやっとくでしょと。どうやらこの当たり前のことを選考委員会のお偉いさん方はやってなかったようなんですね。仮にやってたとしてもメインテナンスコスト(維持費)の概算予算も含めて超丼ぶり勘定をやってしまった?で、勢いでグランプリを発表しちゃったもんだから後に引けなくなっちゃった。つまり一般常識で考えれば、ザハの作品はノミネート前の事前建築予算チェックで失格が妥当だったってわけですね。以上。
そうは言っても、以下画像の通り青い空の下、建設工事はもう粛々と始まっちゃってますので、止めるんならホント今のうちデス。
もうガリガリいっちゃってます。
東京体育館は割と未来チックなデザイン。
日本青年館はただ今解体中。
PS.
NHKの報道によりますと、近々新国立競技場の審査委員長であった安藤忠雄氏が会見を開く模様デス。針のむしろ状態かと思いますが、冒頭見解の誤解を解くような「なるほど!」と唸らせるような発表をお待ちしております。間違っても「スケジュール的に概算見積もりを取るだけの時間がなかったんでしょうがないんです。」というような言い訳だけはやめてもらいたいもんデス。
PS2.
7月16日の安藤忠雄氏の会見では、コンペの審査委員長として担当したのはデザインを選考するまでであり、ザハのデザインが構造的に作れるという判断をしただけ。コストに関してはほとんど話し合われてなかったとのこと。ま、正直に回答されました(アーメン)
PS3.
7月17日の安倍晋三首相の会見によりますと、2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画について「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直すと決断した」と表明しました。つまり、もう一度コンペをやり直すようデス。