武 士 の 家 計 簿 。

武士の家計簿 磯田道史 原作 森田芳光監督 

幕末、算盤が熱かった。。。


古文書を解かせたら
日本で右に出る者はいない!
と囁かれている新進気鋭の
歴史学者・磯田道史氏。

その磯田氏が
2003年に記した書が、

『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』

もともと磯田氏が
2001年に神田神保町の古書店で
加賀藩の下級藩士で御算用者を
代々務めていた猪山家に残された
約37年間の入払帳や書簡を
偶然にも発見し、

それらの書を紐解いてみたところ、
猪山家8代目の猪山直之から
9代目の猪山成之に渡る
37年間に渡って付けられ続けた
武士の家計簿であったことが判明。

その家計簿の出現によって
武士の収入や支出、借財、
その他買物明細だけでなく、
日常生活の模様や風習までもが
公になったというわけなんデス。

そして、その著書を原作にして、
時代劇として映画化されたのが
「武士の家計簿」なんですね。

本作のメガホンを握ったのは
惜しくも2011年12月20日、
61歳の若さで急性肝不全に倒れた
故・森田芳光監督。

合掌しながらの鑑賞でしたが、
TVでよく見られる勧善懲悪な
時代劇とは趣の異なる江戸時代の
本来の武士の生活を映し出した
良作だったのではないでしょうか。

以下、気になったシーンをどうぞ。

武士の家計簿 磯田道史 原作 森田芳光監督 

代々の借金が嵩んだ猪山家は
8代目の猪山直之が、
家財をまとめて売却するなどし、
借金全額返済を決断します。

しかし、

それでも全額返せなかった為、
今度は徹底して節約することに。

その為、囲碁の盤は、
木の板に自分たちで目を書き込み、
石の代わりに貝を利用するなど、
工夫に工夫を重ねています。

bushinokakeibo-2 武士の家計簿 磯田道史 原作 森田芳光監督 

なんか見覚えあるなと思ったら、
4歳まで住んでいた生家の土間と
めちゃくちゃそっくり(苦笑)

まあ、昭和40年代でも
田舎の家はこんな感じでしたね。
お風呂も薪で沸かしてました。

因みにその生家は
リフォームを繰り返しながら、
今も現存しています(苦笑)

その生家はコチラ

また、武士は丁髷に裃(かみしも)、
女子は島田髷に着物など
今の時代とはまったく異なる
ファッションスタイルですが、
意外と思考レベルは今と変わりなく、
あるあるある!と頷きながら
ご覧頂けるのではないでしょうか。

お時間あればぜひご覧ください。

★★☆☆☆
『 武士の家計簿 』 
監督:森田芳光
原作:磯田道史