【 映画 】ダンケルク

ダンケルク DUNKIRK 映画

ちょっと期待しすぎたかな。
以下、ネタばれちょっと有りデス。


第二次世界大戦の初め頃、英仏連合国軍はドイツ軍のフランスへの侵攻を阻止すべく、フランスとベルギーの国境近くで激しい戦闘を繰り広げた。しかし、フランス北部の港町・ダンケルクにて、英仏連合軍40万人はドイツ軍80万人に包囲され、ついにダンケルクの海岸で孤立してしまう。

イギリスのチャーチル首相は、その40万人の将兵を早期に救出すべく「ダイナモ作戦」を決意。結果、輸送船の他、小型艇、駆逐艦、漁船、遊覧船など英国の可能な限りの船舶を動員し、36万人の将兵を命からがらダンケルクから脱出させることに成功したのだった。

本作品は実際に起こったそのダンケルクでの奇跡的な救出劇を陸軍二等兵や英戦闘機スピットファイアのパイロット、民間船の乗組員など複数の登場人物の立場から多面的に描いた作品デス。

機銃の乾いた射撃音が印象に残る陸戦、スピットファイアとメッサーシュミットの息詰まる空撮シーン、輸送船や駆逐艦の爆撃・沈没シーンなど、恐怖感は「硫黄島からの手紙」ほどではないにしろ、リアルな映像がこれでもかと襲ってきます。

がしかし

勝敗などないも同然、悲劇しか残らないはずの戦争に、名も無きとは言え英雄の存在を果たしてこのご時勢に描く必要あるんだろうか。「永遠のゼロ」を鑑賞した時には感じられなかったもやもやした気持ちが何故かダンケルクを鑑賞後に湧いてきたのでした。なんか残念な。

多分日本贔屓してるからだろうな、いかん、いかんデス。

★★★☆☆
DUNKIRK / ダンケルク
監督・脚本:クリストファー・ノーラン

 

 

 

 

 

□□□ 東雲乃歴 □□□□□□□□□□

因みに史実的にも「ダイナモ作戦」はなんとか成功に終わりましたが、その後フランス軍は雪崩を打ったかのように崩壊。成すすべなくドイツ軍にパリを占領され、ひと月もたたない間にドイツに降伏してしまいます。

歴史にもしがあるとすれば、その後、ドイツがソ連を侮ることなく独ソ不可侵条約を守って、英国を相手に戦力を集中していたならば、いずれドイツは西ヨーロッパを統一し、今とはまったく異なった世界が繰り広げられていたかもしれません。