映画・風の電話。

映画 風邪の電話

フランス映画を観てるような儚くも愛溢れる作品。


8年前の東日本大震災で愛する家族を失い、心に傷を負ったまま広島の叔母のもとで暮らす17歳の女子高生ハル。ある日、唯一心を許していた叔母が突然病で倒れてしまう。自分の周りから愛する人が一人もいなくなってしまう恐怖を覚えたハルは、震災以来一度も帰ってなかった家族との思い出が残る故郷・岩手県大槌町へ向かおうとする。その旅の途中、偶然にも様々な境遇をもった人たちとハルは出会い、彼らとふれあう中で次第に生きる希望をハルは見出だしていく。そして、故郷・大槌町の小高い丘の上に実在する天国に繋がる電話ボックス「風の電話」へとハルはたどり着くのだった。

津波で家族を一瞬にして失う。そんな想像を絶する悲劇は残された者の瞳の光まで奪ってしまうのか。主人公・ハルを演じた主演のモトーラ世理奈、彼女が演じたハルの瞳には一筋の光も見られず、ただ絶望感が瞳の奥に彷徨ってるだけでした。しかし、心に傷を負いながらも前向きに生きようとする様々な境遇の人たちとの交流をきっかけに、少しずつほんの少しずつですがハルの瞳に希望の光みたいなものが射しこんでいくのデス。本作の試写会の壇上にて共演した西島秀俊や西田敏行がハルを演じたモトーラ世理奈を「天才的女優」などと何度も絶賛していたんですが、ハルの瞳の変化を追っているだけでそれも十分頷けます。ぜひ大画面の劇場でハルの瞳に注目しながら、心のうちに分け入ってみては如何でしょうか。儚いながらもきっと生きる希望や意味みたいなものが見えてくるはず。

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□□□□

東帝大の蛭間院長!?笑