中卒で逮捕歴2回、でも芥川賞受賞の凄い作家 。

苦役列車 西村賢太

これぞ人生の大逆転劇!


144回(2010年下半期)芥川賞受賞作品
『 苦役列車 』 著者:西村賢太

尊敬するコピーライター
渡辺裕一さんが自身のブログで
大絶賛していたことから
重い腰を上げて読んでみた。

本作品の著者 西村賢太氏は
中学三年生の時
実の父が性犯罪で逮捕されており
それが原因で中学を卒業後
高校に進学することなく
家を飛び出し
日雇い労働者など職を転々とし
その間、自身も暴行罪などで
2回の逮捕歴があるなど
相当に痛い人生を過ごしてきた。

おまけに人相もめちゃ悪い(笑)

それでも
読書だけは欠かさなかったようで
西村氏自身が23歳の時
戦前の小説家・藤澤清造の
作品と出会ったことが切欠となり
藤澤清造の弟子を自称し
作風に影響を受けたようだ。

その後も職を転々としながらも
私小説を書き続けた結果
2007年40歳の時『暗渠の宿』で
野間文芸新人賞を受賞し
2010年下半期に「苦役列車」で
なんと芥川賞まで受賞したのだ。

自身を鏡で写したような
本書「苦役列車」を読んでも
よくぞこんなクズな人生から
立ち直れたなと感心するばかり。

人間、たったひとつでも
何か熱中できることを続けていれば
奇跡を起こすことは可能なのだと
思い知らされた次第。

なお、本書を読んで
自分も芥川賞作家になれるかも?
と、勘違いしそうになるけど
それも本作2/3くらいまで。

それ以降はやっぱりレベルが違いすぎ(苦笑)

★★★☆☆
『 苦役列車 』
著者:西村賢太