俺の系は食べモノだけじゃない!
ひょっとして段田一郎って岸田一郎氏のこと?
女子の間では先日ご紹介した『 FIRST CLASS 』での菜々緒演じるレミ絵様の毒舌ぶりが密かに活況を呈してきておりますが、実は男子にも密かに人気となっているメンズがいるんデスね。それがテレビ東京『 俺のダンディズム 』で滝藤賢一が演じている主人公 段田一郎 なんデス。毎度の彼の決め台詞は・・・
「俺もダンディになりた~い!」。
ドラマのストーリーはとってもシンプル。某企業の営業課長に昇進した段田一郎(滝藤賢一、41歳、既婚、年収710万円)は、お気に入りの新人部下・宮本南(石橋杏奈)の「ダンディな大人の男性がタイプ」という発言を聞いて、自分も部長 伊達次郎(前川泰之)のようなダンディな男を目指そうと一念発起。手探りながらファッション雑誌やテレビ番組(ダンディズム講座)で勉強を始める。まずは長年使ってきた腕時計を買い替えようと決心する。
そして、銀座の雑居ビルにある紳士用品全般を扱う不思議な店「マダムM」を訪ねた段田は、ミステリアスな女店主・美幸(森口瑤子)から腕時計に関する様々なうんちくを教えてもらいながら、段田の予算に応じた3本の腕時計を美幸に提案してもらう。その中から段田は自ら究極の1本の腕時計を選び、ダンディズムの道を究めようと決意する。そして、その後も万年筆、靴、手帳、眼鏡などなどのダンディズムに欠かせない一流品を手にしていくのであった。
さて、このドラマの魅力としてもう一点。もちろん主演 滝藤賢一のダンディとはかけ離れたコミカルな演技も面白いんですが、女店主・美幸を演じる森口瑤子さんから妖艶に語られる様々なアイテムの蘊蓄がたまらなく勉強になるのデス。その昔、BS朝日で放送されていた情報番組「STYLEBOOK」並の蘊蓄レベルかと。
例えば第1話「腕時計編」では、19世紀終わり頃、当時懐中時計を持つことが基本だった男子がどうして腕時計をはめるようになったかなど、ボクも知らない蘊蓄がいっぱい紹介されるんデス。因みに腕時計がはめられるようになった原因は、戦争において時間に合わせて銃で一斉攻撃する際に腕に時計を付けていると便利だったからとか。なので、最初は懐中時計を腕に紐で巻いていたそうデス。
ま、そんな感じで、以下女店主・美幸(森口瑤子)が段田一郎に提案した商品をご紹介します。
第1話「腕時計」
ロレックス エクスプローラー
ロレックスが腕時計の王様と言われる所以は「オイスターケース」による防水機能、自動巻き機構(パーペチュアル機構)、日付が午前零時に一瞬で切り替わるデイトジャスト機構の3つの世界初を生んだからとも言われています。
但し、ロレックス社の部品保有期間は特定のモデルの製造中止後30年ということになっており、永久に純正部品が供給される保証がない、つまりは半永久的に使うことができないところが、ボクがロレックスに今ひとつ興味の湧かないところであります。
セイコー グランドセイコー SBGH001
ブランドコンセプトは「最高の普通」、「実用時計の最高峰」とめっちゃ地味なハイエンドモデルですが、機械式、クォーツ、スプリングドライブの3つの時計駆動方式が用意されていることは特筆すべき点でしょうか。
因みにセイコー社の部品保有期間は特定のモデルの製造中止後10年ということになっており、ロレックス社同様に永久に純正部品が供給される保証はありません。
1839年に2人のポーランド人アントニ・パテックとフランチシェック・チャペックによって創業されたパテック・フィリップは「オーデマ・ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」と並ぶ世界三大高級時計メーカーのひとつであり、その中でも時計業界の頂点に君臨するとも言われている超高級時計ブランドです。
他の世界三大高級時計メーカー同様に「永久修理」を謳っており、企業が存続する限り半永久的に使用可能な点がどこのファッションブランドをも凌いでいると言われる所以デス。つまり、先祖代々使用が可能な時計ってことなんですね。但し、お値段はそれなりにしまして、上画像のパテック・フィリップ ノーチラス Ref.5712/1Aで定価400万円オーバーとなるところが万が一にも手が出ないところであります(滝汗)
そして、そんな3種類の時計から段田一郎が選んだ時計がコチラです。
ロレックス エクスプローラー!
段田さん、無難中の無難で来ましたね。とは言っても女子には最も人気の時計ブランドなだけにダンディという点からすれば選択に間違いはないところかと。
因みにボク愛用の腕時計はコチラ。
G-SHOCK
BLACK×GOLD Series
GW-2000BGD-1AJF
しょぼ(涙)でも、私的にはもうこのG-SHOCKで十分なんデス。もう5年ほど使用しているでしょうか?何度も紛失して泣きそうになりましたが、ちゃんと後から見つかるという憎いヤツですから。
第2話「万年筆」
「ダンディとはやせ我慢である」 by 阿久悠
さて、第2話のダンディアイテムは「万年筆」なのですが、万年筆なんて高いしメインテナンスがめんどくさいし一生使うことなんてないよー!ってのが一般的な万年筆に対する印象だと思います。
がしかし、例えば高級ホテルでチェックインする際にホテル備え付けのボールペンではなく、自分保有の万年筆を使ってチェックインシートにサインをすると、優良顧客の可能性があるとホテル側から見なされ、お部屋のアップグレードの確率がぐ~んと上がったりするとホテル関係者の方々が仰っておりました。
なので、その点でも万年筆を常に保有することは自分を魅せていることであり、ダンディな行為と思う次第デス。なお、段田一郎の予算は5万円。
MONTBLANC (モンブラン) マイスターシュテュック 149 万年筆 ペン先 EF (極細) ブラック x ゴールド
とにかく太く目立つこと請け合いなこの万年筆のスタイルは世界中で最もリスペクトされていると言っても過言ではありません。まさにドイツが生んだ万年筆の王の格がございます。
但し、定価が101,520円という高価格なところがネックポイントでしょうか。ホテルのアップグレードがされればすぐさま元が取れるわけですが。
他には松本清張が使用していたモデルとしても知られていますよ。
ペリカン スーベレーン M400万年筆緑縞 EF 極細 M400
モンブラン マイスターシュテュックとは対照的に細身なスタイルで胸ポケットにも手帳にも収納できるのが、これまたドイツのペリカン スーベレーン M400の魅力であります。
アウロラ【AURORA】万年筆 オプティマ ブルー 996-BF 14Kペン先(ペン先:F 細字)
イタリアのメーカーらしく、カラフルなところが特徴。マーブル調の姿は手作りで世界に同じ模様のものはないすべてがオンリーワンの万年筆デス。独自のリザーブタンク付きピストン吸引式を採用しているから一度インクが切れてからもA4用紙で1~2枚は書き続けることが出来る優れモノ万年筆デス。
そして、そんな3種類の万年筆から段田一郎が選んだ万年筆がコチラです。
ペリカン スーベレーン M400万年筆緑縞 EF 極細 M400
色が独特でカッコいいし、何よりメモ帳にも対応できるからと。
第3話「靴」
マダムM店主の美幸曰く、ドレスシューズは大きく分けて上記の4種類だとか。
1.ストレートチップ
2.Uチップ
3.ウィングチップ
4.プレーントゥ
因みにボク保有のクロケット&ジョーンズのハラムはストレートチップでして、つま先の革の切り替えが横にストレート、すなわち一文字飾りになったデザインのシューズになります。
他にもイタリア(マッケイ製法)とイギリス(グッドイヤーウエルト製法)の産地の違いによる製法の違い、石田純一が裸足で革靴を履いてられるのはジョン・ロブの通気性のいいレザーのお陰だとか、007ではジェームス・ボンドがジョン・ロブのヒールに発信器を入れてたとか、日本人の靴の試着に掛ける時間は5分で、他の先進国では40~50分掛けるとかの蘊蓄が盛りだくさん語られていました。
さらに正しい靴のサイズ選びの方法とは?
1.使用予定の靴下を必ず履いて試着すること。
2.両足同じ大きさとは限らないので、片足ではなく両足で試着すること。
3.靴を痛めないように必ずシューホーン(靴べら)を使用すること。
4.かかとをぴったりと付けてサイズを確認すること。
5.足の親指と小指の付け根の一番出ている部分を結んだ線を「ボールジョイント」といい、このボールジョイントが足に合っているかを選ぶのが一番靴選びでは重要になるとのこと。
さて、段田一郎の予算は10万円。店主美幸はどんな靴を提案したかと申しますと・・・
イタリア、イギリス、アメリカの3カ国から究極の1足を提案。フランスは抜きなのね(汗)
以下、その3足をとくとご覧下さいませ。
SANTONI(サントーニ・イタリア)
ウィングチップ
モデル番号:4154201
価格:100,440円
JOHN LOBB(ジョンロブ・英国)
キャップトゥ(ストレートチップ)
モデル名:CITY2/シティ2
価格:172,800円
ALDEN(オールデン・米国)
コードバン・プレーントゥ
価格:113,400円
もうどの靴も説明の必要はありませんね。どの靴も一生に一度履いておきたいほどの名靴ではないでしょうか。
そして、その中から段田が選んだ靴はコレ!
JOHN LOBB(ジョンロブ・英国)
キャップトゥ(ストレートチップ)
モデル名:CITY2/シティ2
価格:172,800円
ジョン・ロブと言えばかのチャールズ皇太子の40年モノのストレートチップも忘れちゃいけませんね。その記事はコチラ。少々どころかかなりお高い逸品ですが、若いうちから保有して一生モノとして育てる価値のある靴だと思います。段田さん、いい買い物をしたと思います。
因みにジョン・ロブに使用されているレザーはフランス・デュプイ社のカーフスキンで、エルメスの次にベストな革を選ぶ権利を有しているとか。
第4話「手帳」
さて、ここで問題デス。日本で最初に手帳を使ったのは誰でしょ?
・・・・・答え「福沢諭吉」
1862年に福沢諭吉がパリから持ち帰ったのが最初の手帳と言われてるそうデス。
で、世界4大手帳のご紹介デス。
1.LETTS(レッツ)
LETTS(レッツ)
オリジナルダイアリー Slim MTV
Landscape 12SUJ
価格:1,728円
世界最古の手帳ブランド。閉じ手帳タイプで、手帳の角にゴールドの金具が施され、湿気ないように紙の周囲が金箔仕上げになっているのが特徴デス。
2.MOLESKINE(モレスキン)
MOLESKINE(モレスキン)
クラシックダイアリー
価格:2750円
19世紀後半に創業。ゴッホやピカソ、ヘミングウェイが使用していた閉じ手帳タイプで、ゴムバンドで手帳全体を止める仕様になっていることが特徴デス。
3.Quo Vadis(クオバディス)
Quo Vadis(クオバディス)
価格:1,944円
1952年にフランスのマルセイユで医者をやっていたフランシス=ジョルジョ・ベルトラミによって考案されたした閉じ手帳タイプで、1時間ごとに時間が刻まれたバーチカルタイプが特徴デス。
4.Filofax(ファイロファックス)
Filofax(ファイロファックス)
キューバン Cuban システム手帳
価格:16500円
イギリス陸軍の要請で誕生したシステム手帳で、リフィルを変えれば一生利用できる優れモノ。因みにボクのBOTTEGA92製のコードバンシステム手帳はコチラ。
さて、段田一郎の予算は3万円。店主美幸はどんな手帳を提案したかと申しますと・・・
Brelio(ブレイリオ)
コードバンシステム手帳
クラウゼ社製リング使用
外部にコードバン、内部に水牛
価格:31,320円
Quo Vadis(クオバディス)
エグゼクティブノート クラブ
価格:4,212円
X47
374k Timer Premium croco A6 brown
スプリングバーバインディングシステム
カウハイドレザーにクロコ型押し
価格:27,000円
そして、その中から段田一郎が選んだ手帳はコレ!
X47
374k Timer Premium croco A6 brown
スプリングバーバインディングシステム
カウハイドレザーにクロコ型押し
価格:27,000円
このX47には上の画のようなスプリングバーバインディングシステムが採用されてまして、閉じ手帳とシステム手帳のいいとこ取りが出来ているデス。例えばシステム手帳では左のページを書く際にリングが邪魔になってましたが、X47にはリファルを留めるリングが無い為、閉じ手帳と同様の書き易さを実現できているわけですね。段田さんいい選択されたと思います。
第5話「眼鏡」
さて、ここで問題デス。眼鏡を日本に伝えたのは誰でしょ?
・・・・・答え「フランシスコ・ザビエル」
眼鏡の基本、代表的な7つのレンズシェイプから。
1.「オーバル型」卵型
2.「スクエア型」長方形で最もポピュラーなスタイル
3.「ラウンド型」まん丸型
4.「フォックス型」狐の吊り目みたいなスタイル
5.「ボストン型」海外ではパントと呼ばれていて西洋人の目元のくぼみに合わせてたスタイル
6.「ウェリントン型」いま世界的にはやっている縁が太いスタイル
7.「ティアドロップ型」サングラスとして誕生したスタイル
因みに暗殺された時のジョン・レノンの付けていた眼鏡は日本の白山眼鏡店の今では廃盤となっているメイフェア クリアフレームだそうデス。
さて、段田一郎の予算は5万円。店主美幸はどんな眼鏡を提案したかと申しますと・・・
alain mikli(アラン・ミクリ)
A03004-B09D
価格:45,360円
BARTON PERREIRA(バートン ペレイラ)
クラレンドン(CLARENDON)
価格:49,680円
999.9(フォーナインズ)
O-31TTypeB
価格:41,040円
そして、その中から段田一郎が選んだのはこの眼鏡デス!
BARTON PERREIRA(バートン ペレイラ)
CLARENDON(クラレンドン)
価格:49,680円
このバートン ペレイラはオリバーピープルズのビル・バートン社長とパティ・ペレイラ(当時クリエイティブディレクター)が2007年に旗揚げしたブランドになります。
ボストン型コンビブローの眼鏡でして、レンズ上部のプラスチックはあえて太さを抑え、レンズの下には軽量のチタンにゴールドメッキを施すことでエレガントに仕上げられた逸品デス。特にブリッジとテンプル部分には細かな装飾が施され、絶妙なヴィンテージ感とラグジュアリー性を兼ね備えた美しい眼鏡デス。
さて、第6話以降は改めて加筆していきたいと思いますので、しばしお待ち下さいませ。
因みにコチラの番組はモノ・マガジンとMEN’S EXが監修してるそうデス。
『俺のダンディズム』第8話より
アイルランド出身の詩人オスカー・ワイルドがこんな言葉を言ったそうな。
「ダンディは一流の芸術家である必要はない。ダンディそのものが一流の芸術品だからだ。」