『 サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 』 を読んで。

the_silo_effect サイロ・エフェクト

今話題のビジネス本デス。


沈まぬ太陽 会長室篇」を読みつつ、
図書館の返却日に急かされて、
先日さらっと読み込んだのが、

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

フィナンシャル・タイムズ米国版の
編集長を務めたこともある
人気ジャーナリスト
ジリアン テットが著した書デス。

大企業の重役でもない限り
読む必要のないビジネス書
なのかもしれませんが、
企業の大小に拘わらず
とても的を得た内容でしたので、
ボク個人の意見も合せて以下に
ざっと要点だけをまとめてみました。

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もはや巨大な企業規模、
変化が失われた寺領領域からして
オールドエコノミーな企業と
揶揄されて久しくなった
ソニー、マイクロソフト、
アップル、サムソンの4社。

しかし、

ほんの一瞬とも言える僅かな間に
アップル、サムソンは突き抜け、
ソニーとマイクロソフトは周回遅れ。

何故ソニーとマイクロソフトは
これだけ引き離されてしまったのか。

その理由はサイロ(タコツボ)、
つまり、細かく分断され過ぎた
独立採算の事業部制という
タコツボの中にそれぞれの組織が
すっぽり入って隠れてしまい、
上意下達することが
困難な状態に陥ってしまったこと。

例えばアップル大躍進の
先駆けともなったiPod+iTunes、
この仕組みをソニーは
以前から創造できていたとしよう。

仮にそれを実行するには、

ウォークマン事業部(ハードウェア)、
ソリューション事業部(ソフトウェア)
So-net(ネットワーク)
ソニーミュージック(音楽ソフト)

以上の2事業部と2関連会社を
ソニー本社の経営陣は速やかに
結束させる必要があった。

しかし、あの出井会長でさえ
これらの事業部や関連会社を
動かすことは難しかったのである。

ソニーのタコツボの中は
会長の命令が届かないほど
ブラックボックス化されていた。

都政でいえば、都知事よりも、
都議会のドンや現場課長のほうが
権力を握っているようなものだ。

企業も創業者が元気なうちは
絶対王政とも言える権力で
組織を動かすことは可能だった。

しかし、

創業者が去ったあと、
現場はタコツボの中に閉じ籠り、
新経営陣の指令など無視をする。

資本主義社会における
企業の民主化の原点は株主にあり、
その総会で選出された
会社役員たちは絶対的な存在だ。

その命令が行き届かない、
もしくは命令違反をする組織など
大学サークルと同じであり、
企業などではないことを
肝に銘じておかなければならない。

その認識の差が、先の4社に
生まれたのではないかと思う。

さ、休み明け、仕事だ!仕事!