『私の愛するモノ、こだわるモノ』 Vol.2 アクアスキュータムのレインコート。

落合正勝『私の愛するモノ、こだわるモノ』 Vol.2 アクアスキュータムのシルクのレインコート。

『どんなものにせよ、懐の許す限り、初めに高価なものから贖う。私の揺るぎない持論である。』by 落合正勝


確かなモノを買うためには、それ相応に値する専門家たちに頭を下げて聴き回る、もしくは今ならネットで徹底的に調べ上げて、多少身分不相応でも自分にとってベストなモノをひたすら追い求める。それでも選択した以上のモノが存在していると分かったときは、しっかり反省して次に繋げるのが後悔の少ないモノ選びの方法かなと。

そして、冒頭画像のアクアスキュータムのシルクのレインコートについて。

落合氏が1970年代に購入したレインコートだそうですが、表地のシルクも最高級なモノなら、裏についているライナーも1973年に捕獲禁止となったアラスカ産アザラシの3歳オスの毛革であるベビーシール。当然価格は破格のモノとなり、当時のお値段はなんと150万円だったとか。それを氏は即決で購入を決定したそうな。

氏を購入に至らせた要因は、入手したことでの後悔するより、入手しないままの後悔のほうが、よほど悔しい思いをすることが分かっていたからだとか。

もちろん実際に袖を通してみて、シルクの耐久性など十分一生モノとして愛用できるという確証があったことは間違いないようですが、様々な禁止事項があったとか。

シルクの光沢とベビーシールの艶が無くなる恐れがあったためクリーニングは厳禁。そのため首筋の汚れ防止のために必ずスカーフもしくはマフラーを巻く。公共の乗り物は避ける。ハンドメイドのカシミア用ブラシを使用するなどなど条件は厳しい。

でも、さすれば30年経過しても画像のような良好なコンディションを保つことができるそうデス。

なんとも凄い執念デス。恐れ入りました。

Vol.1 ブリオーニのタキシード
Vol.2 アクアスキュータムのレインコート
Vol.3 ネクタイの起源