若冲84歳 vs 北斎88歳。

左:伊藤若冲『鷲図』(1800年)
右:葛飾北斎『富士越龍図』(1849年)


NHK「若冲vs北斎~夢の天才対決~」より

生涯現役を通した
二人の天才画家の絶筆は
奇しくもどちらも水墨画作品。

伊藤若冲の絶筆は
得意とした鶏ではなく
空の王者「鷲」を
力強く描き切っている。

かたや葛飾北斎は
得意の富士山に
晩年よく描かれた龍が
空高く舞い上がっている。

両作品に言えることだが
死に際の人間が描いた作品とは
とても思えない。

凄過ぎるのひとことだ。

そして、画家は長生きをする。

PS.

北斎臨終の際の様子が以下のように書き残されています。

翁 死に臨み大息し 「天我をして十年の命を長らわしめば・・・」といい、暫くして更に言いて曰く、「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」と言吃りて死す。

88歳になってもまだ描き足りなかった北斎恐るべしデス。

因みに北斎の『富士越龍図』はすみだ北斎美術館で実物がご覧になれますヨ。

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□□□□

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