映・桜田門外ノ変。

桜田門外ノ変 桜田門外の変

「暗殺という政治行為は、史上前進的な結局を生んだことは絶無といっていいが、この変だけは、例外といえる。明治維新を肯定するとすれば、それはこの桜田門外からはじまる。」司馬遼太郎


安政7年3月3日(1860年3月24日)、水戸浪士17名と薩摩浪士・有村次左衛門、合計18名の桜田烈士が、雪の降る桜田門外にて時の大老・井伊直弼を襲撃した事件を史実にそって忠実に再現したのが本作品であることはご存じの通り。

事件のあらましと事件に拘わった志士たちのその後がめちゃくちゃよく分かる歴史好きにはたまらん作品かと。

特に襲撃シーンにおいては駕籠訴を装って行列の先頭に出た水戸浪士の森五六郎が、それを制止しようとした彦根藩士・日下部三郎右衛門を斬り込むところから始まるんですが、その森五六郎の早わざはまさしく我妻善逸の霹靂一閃!そして、彦根藩最強の剣豪・河西忠左衛門の稲田重蔵ら複数の水戸浪士を相手にした決死の防戦も合せてお見逃しくなく!

但し、本事件は司馬遼太郎のいうように明治維新の魁となったかもしれない。がしかし、明治維新後に薩長を中心とした帝国主義を生み出し、はては85年前の今日凶行に及んだ226事件を経て軍国主義に突き進む結果を考えると、たとえ今の時代が平和であっても非常に複雑な心境デス。

監督:佐藤純彌 

主演:大沢たかお(関鉄之介)

主題歌はAneCanの元専属モデル・alanの歌う『悲しみは雪に眠る』

残念ながらalanちゃんは現在中国で活動中。インスタで我慢我慢。

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□

三里当て

本作品を見ていて気になったのが、井伊直弼の供回りの家臣たちが江戸城登場の際に膝下につけていた白い三角巾!?

三里当て

亡くなった人の頭につける天冠を逆さまにした感じですよね。

実はコレ「三里当て」もしくは「三里紙」と呼ばれるものでして、ケロイド状になったお灸の跡を隠すための当て布だそうデス。

この時代、電車もバスもありませんでしたから自分の脚は命。なので、頻繁に三里(膝下)の部分にお灸をして脚の疲れをとっていたそうデス。