画家はこうして嘘をつく。
期待してたほどの
内容ではなかったけど
否、ボクの知らない絵画が
題材に多く取り上げられていて
ついてけなかっただけだけどネ(涙)
とはいえ、2枚の絵については
さすがのボクも存じ上げていたので
備忘録として以下挙げておく。
この生々しい宗教絵画は
1610年頃に描かれたという
ご存じカラヴァッジョの絶筆
『ゴリアテの首を持つダヴィデ』
実は少年ダヴィデが
手にしている生首こそ
カラヴァッジョの自画像なのだ。
カラヴァッジョについては
以前コチラでも書いてるが
ローマで殺人を犯してしまい
逃亡犯として長く流浪の日々にあった。
つまり、逃亡中に描かれたこの絵は
罪に対する懺悔の気持ちを表すために
自らの生首を描いたのではなかろうかと
著者の富田章氏は推論する。
な る ほ ど で あ る 。
で、もうひとつの作品は・・・
ヴィジェ・ルブランの描いた
『麦藁帽子をかぶった自画像』(1782)
ヴィジェ・ルブラン(86)といえば
仏王妃マリー・アントワネットの
御用絵師としてよく知られた存在だ。
マリー・アントワネットが
美しく豪華に描かれてる絵画は
すべてルブランの作品と言っていい。
とはいえ、そんなルブランでも
女性が宮廷画家として活躍するには
並大抵の努力では叶わなかったはず。
そんな試練を乗り越えたこともあってか
『麦藁帽子をかぶった自画像』は
ルブランが崇敬の念を持っていた
ある巨匠の作品に対抗意識を燃やして
否、インスピレーションを得て
「私でも同じクォリティをもつ絵が描けるのよ。」
と、強烈な自信をのぞかせて描いたのでは?と著者は推論する。
その巨匠の作品がコレだ。
フランドルの巨匠
ルーベンスが描いた
『シュザンヌ・フールマンの肖像』(1622年-1625年)
ルブランは後年にこう回想している。
私はアントウェルペンで、最近かなりの高額でイギリス人に売却された有名な『麦わら帽子』を見つけました。この素晴らしい絵画はルーベンスが描いた女性画の1つです。その大きな効果はシンプルな日中の明るさと太陽のまぶしさを与える2つの異なる光にあります。おそらく、ルーベンスがこの作品で見せている絵画制作の優れた点のすべてを理解するには画家である必要があります。この絵画は私を大いに歓喜させ、ブリュッセルで同じ効果を求めて自分の肖像画を描いた私に大切な点を教えてくれました。
エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン『回想録 1755年-1842年』
きっとあの世でルーベンスは
ルブランに拍手喝采したことだろう。
□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□
お父さん頑張ったネ!
娘さんの喜ぶ顔が思い浮かぶわー