映 画 関 ヶ 原 。

関ケ原 映画

大儀と正義はどっちにあった?


日本の未来を決した
わずか6時間の戦い
誰もが知る「関ヶ原」の
誰も知らない真実。

「愛」と「野望」激突!

石田三成「大一大万大吉」・・・1人が万民のために、万民が1人のために尽くせば、天下の人民はみな幸福(吉)になれる。

徳川家康「厭離穣土欣求浄土」・・・荒れ果てた世の中を嫌い、平和な浄土を求めるならば、必ずや仏の加護を得られて大義を成せるだろう。

さて、関ヶ原の戦いと言えば、慶長5年9月15日(西暦1600年10月21日)、東西両軍合わせて15万人もの兵が戦った日本史史上最大の合戦デス。それ故、合戦の模様を映像化するにはあまりにもスケールが大きすぎて、関ヶ原の戦いをまともに映画化した作品はこれまでに存在してませんでした。加えて制作費が膨大となり興行収支面で大赤字になる可能性が極めて高い題材とされていたからデス。そういう事情を鑑みても、本作品の映画化が如何に難産なものであったか容易に想像できるかと思います。

そんなことを頭に思い浮かべながら、早速公開初日に「関ヶ原」を鑑賞して参りました。原作は司馬遼太郎。監督は「金融腐蝕列島〔呪縛〕」「魍魎の匣」「日本のいちばん長い日」のメガホンをとった原田眞人。主演は西軍の石田三成を演じる岡田准一と、徳川家康演じる役所広司。「三成に過ぎたるものが二つあり、島の左近に佐和山の城」で知られる島左近を演じるのは平岳大。撮影ロケ地は滋賀県愛知郡愛荘町にある金剛輪寺や彦根の龍譚寺がメインで使用され、大垣城に見立てたのは先日訪問したばかりの彦根城、秀吉と三成の出会いのエピソードで知られる「三献の茶」のシーンは彦根の天寧寺など、リアリティ溢れる古刹や実際の城で撮影されています。当然ですが大河ドラマのようなスタジオ撮影のシーンなんてひとつも見受けられません。

で、個人的な感想としては文句なく超大作スぺクタル作品であったなと。大劇場で鑑賞してよかったなと。DVDが発売されたら買ってみようかなと。よく知られたエピソードの場面の数々、スピーディーで大迫力の合戦など息を飲むシーンがこれでもかと連続します。さらに鎧、兜などの甲冑や衣装、小道具から大道具まで、大河ドラマのそれと比べるまでもなく、オーセンティックに製作されていることが見て取れます。いったいいくら制作費を掛けたんだろ?因みに調べても出てきませんでした(汗)

但し、大河ドラマでおよそ四半期分に当たるストーリーを僅か149分の上映時間に端折っているため、それ相応の史実を事前に理解しておかなければなりません。そうでなければ、Yahoo映画のレビューに散々書かれている通り、ストーリーがさっぱり理解できなかったという悲劇を生むことでしょう。関ケ原の戦い以前の史実やマニアックなエピソードをしっかり頭に叩き込んでから鑑賞されることをお薦めします。

岡田君の大ファンを除き、間違っても日本史に興味ない女子と一緒に鑑賞してはなりませぬヨ。それこそ三成と同じ悲劇を生んでしまいます(苦笑)

石田三成辞世の句:
筑摩江や 芦間に灯す かがり火と ともに消えゆく 我が身なりけり 

★★★★☆
関ケ原
原作:司馬遼太郎
監督・脚本:原田眞人

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□□□□

徳川家康が
戦国武将の中でも
特に人気がない理由は
やっぱり悪役キャラが
板についてるからでしょうね。

仮に主人公を演じていても
これほど敵役となる武将たちを
引き立ててしまう悪役キャラは
家康以外に見当たりません。

なんか残念だなあ(涙)