極・松林図屏風。

松林図屏風 長谷川等伯

国宝・松林図屏風 長谷川等伯


先日鑑賞してきた「桃山天下人の100年」in 東京国立博物館の中で、「四季花鳥図屏風(伝狩野永徳)」や「洛中洛外図屏風 (上杉本・狩野永徳))の話題作を凌ぐほどのオーラを纏っていたのがこの長谷川等伯筆の水墨画「松林図屏風」。

松林図屏風 長谷川等伯 右隻

松林図屏風 長谷川等伯 左隻

WEB上で見る限りそれほど気になる作品ではなかったため完全にノーマークだったんですが、実物の巨大な屏風を目の前にしたとたん全身稲妻に撃たれたように感じた凄い逸品デス。

で、あまりに衝撃だったため、この作品が生まれた経緯をどうしても知りたく、早速この絵を題材にした以下の時代小説を読んでみた次第。

松林図屏風 (日経ビジネス人文庫) (日本語) 文庫 – 2012/7/10 萩 耿介

★★★☆☆
松林図屏風
著者: 萩 耿介

昨年秋お邪魔した智積院で鑑賞した長谷川等伯・久蔵親子による合作「桜楓図」の制作過程にも触れた長谷川等伯の生涯を描いた内容で大変楽しめたんですが、等伯が松林図屏風を描いた真意については自分なりに上手く解釈することができず歯痒い思いを(涙)

しかし、捨てる神あれば拾う神あり。巻末の解説にて文芸評論家の縄田一男先生が、芥川龍之介と川端康成のふたりが美を生み出す源泉のようなものとして語った「末期の眼」という言葉を借りて解説してくれたおかげで朧気ながら理解できた次第デス。

そんなわけで、ぜひ本書を読んでからこの「松林図屏風」を鑑賞しては如何でしょ? 鑑賞を10倍楽しめると思いますヨ。

続いて安部龍太郎著書の直木賞作品「等伯」もただ今鋭意読書中デス。

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□

ジム友が美瑛の青い池を撮影してきましたヨ(驚)