谷崎潤一郎の世界的エッセイ今更読了。
蝋燭や行燈から生まれる炎のゆらめきや、長い庇や障子を通して漏れる光と影に日本古来の美意識を読み解いた文豪・谷崎潤一郎。
描写される言葉がこんなふうにいちいち小難しく喧しい、否、読み返すたびに五感が研ぎ澄まされるような文章が続きます。
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私は、吸い物椀を前にして、椀が微かに耳の奥へ沁むようにジイと鳴っている、あの遠い虫の音のようなおとを聴きつつこれから食べる物の味わいに思いをひそめる時、いつも自分が三昧境に惹き入れられるのを覚える。茶人が湯のたぎるおとを尾上の松風を連想しながら無我の境に入るというのも、恐らくそれに似た心持なのであろう。日本の料理は食うものではなく見るものだと云われるが、こう云う場合、私は見るものである以上に瞑想するものであると云おう。そうしてそれは、闇にまたたく蝋燭の灯と漆の器とが合奏する無言の音楽の作用なのである。
画像:御寺泉涌寺別院 雲龍院・蓮華の間
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日本料理は食うものではなく瞑想するモノ!?
谷崎文学の洞察力恐るべしデス。
もっと早くに読んでおけばよかったと激しく後悔。
2018年にこんな映画も制作されてたようなんですが、DVDすら販売されていない模様(涙)
□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□
ゴジラ vs コング!?
コレは絶対観に行かなきゃ!