情 報 参 謀 。

情報参謀 著者:小口日出彦

今話題の書を読む。


2009年8月30日、
長らく政権トップの座にあった
自由民主党(自民党)は
第45回衆議院議員総選挙にて
歴史的大敗北を喫した。

民主党308議席獲得に対して
自民党は僅か119議席であった。

その自民党惨敗の陰で
当時、自民党報道局長であった
茂木敏充氏(現・政務調査会長)は
情報分析のスペシャリストであった
小口日出彦氏を情報参謀につけ
テレビやSNSで発信される
莫大な量の政治情報を分析活用し、
政権奪還に向けた布石を
着実に打っていた。

そして、2012年12月17日、
3年ぶりとなる第46回衆院選にて
見事政権奪還を果たすのだが
その3年間、自民党が秘密裏に
仕掛けていた政治情報戦の裏側を
情報参謀であった小口日出彦氏が
惜しみなく公に晒した著書が
冒頭画像の『情報参謀』だ。

昨年12月に紹介した
山口敬之氏著書の「総理」のように
安倍総理や麻生外相たちが
オリジナリティとして持っている
矜持や艱苦のようなものを
人間的に描いているわけではなく

テレビやSNSから
日々発信されるデータを蓄積し
今一般大衆が政治に何を思い
何を要望、期待しているか
それらを具体的にに分析することで
ライバル政党を貶めることができる
機動的な広報戦術が可能になる

などといった
情報統計学を活かし
国民の意識を先回りするような
情報戦術がつぶさに描かれている。

情報参謀
★★★☆☆
著者:小口日出彦