ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ。

ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ

南仏コートダジュールに建てられた白亜の別荘<E.1027>に隠された秘密とはーーーー。


『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』なんて邦画タイトルの映画作品を偶然見つけちゃったもんだから東急文化村にあるル・シネマにて速攻鑑賞してまいりました。

ところで、ル・シネマと言えば「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」を鑑賞途中に、隣に座っていたマダムにお菓子を食べていたのを注意されるという赤面したくなる苦い記憶のある映画館。あ~あ、また思い出してしまった。。。

※ル・シネマは飲食禁止(ペットボトルだけOK)なので、くれぐれも注意くださいまし。

そんな痛い思い出話はおいといて、タイトル冒頭につけられた「ル・コルビュジエ」と言えばもちろん、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと並ぶ近代建築三大巨匠の一人としてつとに知られた存在デス。

あの安藤忠雄氏も建築家を目指していた1965年(ボクの生まれた年)、ル・コルビュジエの作品集を手に入れ、コルビュジエが設計した仏マルセイユのユニテ・ダビタシオンにまで訪れます。そして、ユニテ・ダビタシオンに感動した安藤氏は、コルビュジエのアトリエにまでアポなしで押し掛けたという逸話が残っているほどデス。残念ながら安藤氏が訪問した1ケ月前にル・コルビュジエは海水浴中の心臓発作で亡くなっていたそうですが。

また、昨年日本国内で唯一コルビュジエが設計した上野公園にある国立西洋美術館が世界遺産に指定されたことは記憶に新しいところ。加えてボクの書斎に使っている机が、ル・コルビュジエデザインのガラステーブルLC6のレプリカなんて縁もあります。

そんなわけで「ル・コルビュジエ」の名前がタイトルにつけられた映画作品であればボクが過剰反応しないわけがありません。

ビベンタム

そして、もうひとつ邦画タイトルにつけられた名前「アイリーン」と言えばもちろん「アイリーン・グレイ」。なんて美しい響きの名前なんでしょう。

20世紀初頭のアールデコ華やかりし頃、ご覧のアームチェア・ビベンタムやサイドテーブル・E-1027などスティールパイプを用いた機能性重視のミニマルなデザイン家具で一世を風靡した女性インテリア兼建築デザイナーと言えばご存じの方も多いはず。

特に恋人であったジャン・パドヴィッチのために南仏・ロクブリュヌ=カップ=マルタンの海辺に建てられたモダニズムの傑作とも言われる白亜の別荘”E.1027(1929年)“をアイリーン自ら設計したことでも知られています。実はこの別荘、アイリーンではなく長らくコルビュジエの作品と伝えられていました。何故そうなったか?その真相も本作で明らかにされています。

繰り返しますが、そんな憧れのデザイナー二人の名前が冠せられたタイトルの作品、もちろん見逃すはずがありません。

但し、邦画タイトルにもある「追憶のヴィラ」や「それは嫉妬か、愛憎か?近代建築の巨匠ル・コルビュジエの忘れがたき人」なんていうサブタイトルがつけられているため、あたかもル・コルビジェとアイリーンのラブストーリー的な展開を想像するかもしれません。

がしかし、実際のストーリーは徹頭徹尾アイリーン・グレイが主人公であり、アイリーンの知られざる半生と生き様が詳細に描かれた伝記的作品と言えます。ル・コルビュジエは恋人のジャン・パドヴィッチに次ぐ単なる第三者の脇役でしかありません。もし鑑賞成される場合、その点だけはご留意くださいませし。

なのに何故「それは嫉妬か、愛憎か?」なんて過激なキャッチがついてるのか?その辺りの理由も本作をご覧頂ければなんとなくお分かりになるかと。因みに原画タイトルは”THE PRICE OF DESIRE”。

なお、恋人ジャンが亡くなった後、E.1027の別荘が競売に掛けられてしまいます。その際に別荘が人手に渡らないようコルビュジエは裕福なマダムをパトロンにして人手に渡らないように苦心するシーンがあります。コルビュジエともあろう人物が別荘ひとつ買えないのか?と不思議に思われるかもしれません。が、当時の建築家の報酬は思いのほか少なかったらしく、コルビュジエでさえ建築家一本で食べれるようになったのは60歳を過ぎてからだったとか。

★★★☆☆
ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ
監督:メアリー・マクガキアン
アイリーン・グレイ役:オーラ・ブラディ
ジャン・パドヴィッチ役:フランチェスコ・シャンナ
ル・コルビュジエ役:ヴァンサン・ペレーズ

 

 

 

 

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□□

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相変わらずジローさんは
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