常設展侮るなかれ。
原田マハの著書
《常設展示室》を読んで以来
見過ごしがちだった常設展も
しっかりチェックするようになった。
もちろん東京国立近代美術館へ
《裸体美人》を鑑賞しにいった際にも
常設展示室をしっかりチェック
トキメキを求めてうろちょろしただ。
中でもぐっときたのがこの作品。
右:《〇〇方面鉄道建設》猪熊弦一郎(1944)
タイとビルマの間に敷設された
泰緬鉄道の工事の様子が描かれている。
重労働と伝染病が重なり
従事した原住民や捕虜など
12000人以上の犠牲者が出たそうな。
左:《十二月八日の租界進駐》松見良彦(1941)
とくに猪熊弦一郎の作品は
その過酷さが伝わってくる作品だ。
因みに猪熊弦一郎は戦前
フランスでアンリ・マティスに
自身の絵の評価を受けたことがあり
「お前の絵はうますぎる」と言われ
それを自分の画風が未だ出来ていない
と捉えて大層落胆したそうな。
《四月九日の記録(バタアン半島総攻撃)》向井潤吉(1942)
1942年4月9日
日本軍はフィリピン・ルソン島
バターン半島を占領した。
前景の捕虜となった
米軍兵やフィリピン兵
後景のフィリピン避難民
中景の銃をもった日本兵たち
向井はこの光景を見て
「濁流」と表現したそうな。
そして、この濁流は後に
1万人以上の犠牲者をだした
「パターン死の行進」と呼ばれるようになる。
《ウォール・ドローイング#769 黒い壁を覆う幅36インチ(90cm)のグリッド。角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。》ソル・ルウィット(1994)
作品名長いね(苦笑)
約90×90センチの矩形の中に
16種類の円弧、直線、非直線が
2つずつ組み合わされて
全120通りのパターンによって
幾何学的な壁面アートが構成されてるそうな。
ミニマル・アート
コンセプチュアル・アートの
代表的作家として知られる
ソル・ルウィット(1928〜2007)の作品だ。
なにげに柳宗理のバタフライスツール発見(笑)
堂本右美の新収蔵作品
堂本ゆうみは
堂本印象の甥・堂本尚郎と
その妻であり画家でもあった
毛利眞美との間に生まれた娘さんだそうな。
他にも素敵作品がいっぱい。
ラタン編みの椅子は
スタッキング・チェアや
ラタンチェアーで知られる
インダストリアルデザイナー
剣持勇による《ラタンスツール》
剣持勇(1912-1971)
館内でよく見掛けるこの椅子は
マリオ・ベリーニの《413 CAB》アームチェアタイプ
以上、これからの名作が
たった500円で鑑賞できる幸せ♪
次回の展覧会もぜひお邪魔したい。
□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□
この花火にも癒される~