『 小山薫堂 x 佐藤可士和』を読んで。発想の天才 vs 整理の天才。

小山薫堂 x 佐藤可士和

この本笑えます。

下手な漫才聞くより
よっぽど笑える本であります。


「カノッサの屈辱」、
「料理の鉄人」などのテレビ番組、
「おくりびと」などの映画作品、
「くまモン」のゆるキャラなどで
ホームランを打ちまくってる
放送作家兼脚本家の小山薫堂氏と

ユニクロ、7-11、楽天など
大企業のブランディング、
先日ご紹介した今治タオルの
再生ブランディングでも
見事大成功に導いた
クリエイティブディレクター
佐藤可士和氏とのガチ対談本デス。

因みに佐藤可士和本は、
以下3冊を既にご紹介済みですね。

今治タオル 奇跡の復活
佐藤可士和×トップランナー31人
聞き上手 話し上手 38の可士和談議

発想の天才と整理の天才が、
それぞれの事務所に訪問しあって
忌憚ない意見を交し合うんですが、

まったく特性の異なる天才二人が、
交わる化学反応が凄い!凄い!

是非この二人に日本そのものを
ブランディングして頂きたいと
心から思った次第デス。

で、なかなか共通する点が
ないように見える二人なんですが、
実は根底にある考え方は
まったく同じモノでして、

「商品・企業に魂を込めろ!」

もう少し噛み砕くと、

「商品や企業の裏に隠された
 キーワード・キャッチフレーズを
 徹底的に掘り起こせ!」デス。

起業したり、
新製品を開発したり、
サービスを考えたりする時って、
とてつもないエネルギーが
生まれているはず。

そのエネルギーの中に
哲学や思想といった
キーワードが隠れてて、
そこに光を当てて上げることで、
商品やサービスがより一層光り輝く。

そして、中にいる人にとって
当たり前としか考えてなかった
企業や商品、サービスの特性に
思わぬ光が差しこむことで、
当事者のモチベーションが上がる。

更にそこから派生したアイコンや
キャッチフレーズが核となり、
市場に広がっていくという
相乗効果を生むわけですね。

だから、

「答えはいつも相手の中にある。」

なのですね。

余談ではありますが、
小山薫堂氏の「パンツくん」の
話が秀逸でありました。

何でも容赦なく捨て去る
整理の達人な佐藤氏に対して
薫堂氏は「思い出マニア」と
自称するほど、モノが捨てられず、

例えば中国製のパンツにしても
物には生い立ちがあるってことで、
君たちはどう生きるか 』の
主人公「コぺル君」と同じように
縫製したおばさん達のことを考え、
どんなにボロボロになっても
捨てられないんだそう。

で、どうすれば薫堂氏は
捨てる決意が出来るのかと言うと、

中国で生まれ、日本人と出会い、
最後出張先の米LAで生を全うする、

というような壮大で、しかも
感動的なストーリー?が完成して
初めてモノが捨てられるんだとか。

なんだかとっても小山薫堂氏に
親近感の湧く素敵なお話でした(笑)

ぜひお時間あればお読み下さい。