謎・村上春樹 x 安岡章太郎。

BRUTUS(ブルータス) 2021年 11月1日号 No.949[特集 村上春樹 下 「聴く。観る。集める。食べる。飲む。」編]

BRUTUS 2021年11月1日号


安岡章太郎集1

BRUTUS 特集 村上春樹(上)で紹介されてた「村上春樹が手放せない51冊の本」の一冊がコレ。

で、そのうちの「ガラスの靴」と「ジングルベル」「愛玩」「蛾」の4作品を早速読んでみたところ・・・

処女作「ガラスの靴」の文体がめちゃくちゃ似てる!?

春樹さん自ら似ていると認めてるだけあって、春樹さんデビュー当時の軽快で乾いたような文体がそっくりなのだ。

おまけにそれら小説の結末にはオチもなく、書かれた意図もさっぱり分かんない(苦笑)

※春樹さんが安岡氏の著書を読んだのは、デビューして相当経過してからだとか。つまり、安岡章太郎に影響を受けたわけではなく、偶然文体が似ていたということ。

以上、安岡氏の作品は春樹さんを凌ぐ不思議ちゃん小説だと理解した。そして、それと同時にどちらの作品も凡人中の凡人のボクにとっては、小説でも、エロでも、もちろんアートでもなく、描写力を鍛えるための参考書にさえなっていないと今さら気付かされたのだった(涙)

小学生から人生やり直しだな。そして、村上小説をもう一度一から読み直しだ。

PS.

ブルータスの頁の表記が可愛ゆすぎ(笑)

 

□□□ 東雲乃呟 □□□□□□□

以前、春樹さんの大ベストセラー「ノルウェイの森」のタイトルのもとになったビートルズの名曲“Norwegian Wood”について、「ノルウェイの森」という邦題は間違ってるんじゃないかと話題になっていたが、本件について本誌で春樹さんがこんなふうに説明されていた。

確かにこの曲の中で主人公がたぶん火を付けちゃうのは、ノルウェイ製の家具です。でももし「ノルウェイの家具」と邦題がついていたら、たぶん誰もそんな曲に心惹かれないですよね。ジョン・レノンがこの曲に”Norwegian Wood”というタイトルをつけたとき、そこにはいろんな意味が重層的に含まれていたと思うんです。詩、ポエムというのはもともとそういうものだから。だから「ノルウェイの森」という日本語のタイトルは正しくはないかもしれないけど、決して誤訳とはいえない、というのが僕の見解です。

お 見 事 。

邦題が「ノルウェイの家具」だったら確かにレコードの売れ行き半減したかも(笑)

これぞ春樹さんが小説の中でよく語ってる多様性の尊重なんでしょうネ。