2017 京都の旅 vol.10 丸窓の源光庵。

美と生死が入り混じる庵。


2014年秋に放送された
JR東海のCMで
一躍京都の人気寺となった
北区鷹峯にある源光庵。

ご覧の丸い「悟りの窓」と
四角い「迷いの窓」は
ご覧になったことありますよね?

このCM公開後の休日は
入場3時間待ちもあったとか。

因みにこの日は待ち時間0分。

ブームはとうの昔の去ったかな。

源光庵山門

源光庵本堂

源光庵裏庭園の美しい紅葉。

悟りの窓

迷いの窓

最後の画像は右上の部分にご注目。

この景観の美しさとは裏腹に本堂の天井には奇怪な足跡が多数ついています。

実はそれ、血の足跡が多数残る「血天井」。

以下その謂れをご紹介します。

関ヶ原の戦いより少し前の1600年7月、会津の上杉征伐に出陣した徳川家康の居城「伏見城」を守衛していたのは忠臣・鳥居元忠以下千八百の徳川兵。

がしかし、翌8月、会津出陣中の家康に対して五奉行・石田三成らが突如挙兵。鳥居元忠の守る伏見城はその前哨戦の舞台となってしまいます。

大阪城西の丸から合流した五百の兵を加えて二千三百の徳川兵で奮戦するも、宇喜多秀家・小早川秀秋・大谷吉継・毛利秀元らの西軍合わせて四万の兵にはとても敵わず、14日間耐え忍んだ後の9月8日、元忠の自刃を最期にあえなく伏見城は落城します。

その際に元忠以下380余名の徳川兵の自刃によって流された血が沁み込んだ御殿の床板を、供養として移築したと言われてるんデス。それが「血天井」の謂れデス。この血天井はこの源光庵だけでなく、京都市の養源院、宝泉院、正伝寺、瑞雲院、宇治市の興聖寺にも見られるそうです。合掌。

京都の旅 vol.1 紅葉の東福寺
京都の旅 vol.2 方広寺鐘銘事件
京都の旅 vol.3 坂本龍馬・中岡慎太郎墓所
京都の旅 vol.4 建仁寺
京都の旅 vol.5 高台寺 & 圓徳院
京都の旅 vol.6 南禅寺
京都の旅 vol.7 南禅寺・天授庵
京都の旅 vol.8 永観堂
京都の旅 vol.9 京都御所・蛤御門の変
京都の旅 vol.10 丸窓の源光庵
京都の旅 vol.11 金ピカの金閣寺
京都の旅 vol.12 石庭の龍安寺
京都の旅 vol.13 大政奉還の二条城

 

 

□□□ 東雲乃歴 □□□□□□□□

大徳寺三門

源光庵にお邪魔する前に、豊臣秀吉が千利休に切腹を言い渡す要因のひとつになったとも言われる大徳寺の三門を拝見してきました。

利休は大徳寺のこの三門の造り替えのために資金援助していたことから、大徳寺の住持であった古渓宗陳が感謝の意を込めて利休の木像を造り、この三門の上に祀ります。

しかし、三門の上に雪駄を履いた利休の木像を安置するということは、三門の下を通る天皇や秀吉の頭を踏みつける行為と同じであると秀吉は激怒します。そして、1591年4月21日、秀吉の命により千利休は切腹させられるのデス。真実は秀吉のみぞ知るですが。

で、大徳寺と言えば三玄院も見逃せません。

関ヶ原の戦いの首謀者であった石田三成の墓所がこの三玄院にあります。

但し、院内は入場禁止のため参拝することは残念ながら叶いませんでした。